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更新日:2023.08.15

抜け毛・薄毛対策向けのシャンプーの選び方を解説

監修者紹介
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤 明男 医師
佐藤明男
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。  
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「抜け毛が多くなってきた」「髪の毛が薄くなってきた」などと髪の毛の変化を感じている人も多いのではないでしょうか。

抜け毛・薄毛対策のひとつとして、髪の毛や頭皮によい影響を与える成分が豊富に含まれているシャンプーを使用するのがおすすめです。

今回は抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーの特徴や抜け毛や薄毛のメカニズム、シャンプーの使い方・選び方などを紹介します。

この記事を最後まで読んで、抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーについての理解を深めましょう。

そもそも抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーとは?

そもそも育毛シャンプーとは?

(出典:(1)洗浄料とその作用)

(出典:(2)薬用シャンプー及び薬用リンスの承認審査に係る留意事項について)
明確な定義はありませんが、一般的に抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーは髪の毛や頭皮を清浄にしたり、健やかに保ったりするためのシャンプーのことを指します

抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーの中には、髪の毛・頭皮の汗の臭いやフケ・かゆみを防ぐ効果が期待できるものもあります。

ただし上記のような効果・効能を期待できるのは、厚生労働省が認めた有効成分が含まれている医薬部外品のシャンプーのみです。医薬部外品に分類されるシャンプーを、薬用シャンプーと呼ぶこともあります。

髪の毛や頭皮のことを考えるなら、通常のシャンプーを抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーに切り替えてみるとよいでしょう。

注意点として抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーそのものに髪の毛を生やす発毛効果は期待できません。

 

抜け毛や薄毛のメカニズム

抜け毛や薄毛のメカニズム

(出典:(3)ヘアケアの科学) (出典:(4)髪の健康を考える〜美しい髪で過ごすには〜) (出典:(5)毛髪と全身・他臓器疾患) (出典:(6)毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA))

抜け毛や薄毛のメカニズムにはヘアサイクル (毛周期) が大きく関係しています。

ヘアサイクルには成長期・移行期・休止期の3つの期間があり、休止期になると脱毛します。この一定の周期によって、抜け毛が起こるのです。

ヘアサイクルが正常に機能している場合、1日に50〜100本程度の髪の毛が自然に抜け落ちます。1日に100本を超える抜け毛でなければ、それほど心配する必要はありません。

薄毛にはおもに次の2種類のパターンがあります。抜け毛によって髪の毛が少なくなる場合と、髪の毛が細くなる場合の2種類です

髪の毛が少なくなることによる薄毛の原因のひとつに、抜け毛が大量に発生する休止期脱毛症が挙げられます。休止期脱毛症のおもな原因は、精神的なストレス・急激な減量・発熱疾患や消耗性疾患・薬剤などです。

一方で髪の毛が細くなることによる薄毛は、AGA (男性型脱毛症) によって生じます。ヘアサイクルの成長期が短縮することで、毛包のサイズが小さくなり、髪の毛が細くなります。

つまり抜け毛や薄毛を予防するにはヘアサイクルを乱れさせないようにすることが重要です。

抜け毛や薄毛になりやすい年齢

抜け毛や薄毛になりやすい年齢

(出典:(7)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版) (出典:(8)髪の健康を考える〜美しい髪で過ごすには〜)

男性と女性では薄毛になりやすい年齢は異なります。

男性の場合では薄毛になりやすい年齢は40代です。ある報告によると男性の薄毛の大きな原因であるAGAの発症頻度は、20代で約10%、30代で20%、40代で30%と年齢を重ねるにつれて高くなります。

女性の場合は更年期が薄毛になりやすい時期です。男性と同じように加齢も関係しており、閉経前後から髪の毛の変化を感じやすくなると考えられています。

また抜け毛の増加にも年齢が関係します。1日に100本以上の抜け毛 (病的脱毛) の原因のひとつが、加齢による変化です。

男性の場合は20代でも薄毛が発症する可能性があるので、早めに対策をしましょう。

抜け毛・薄毛対策向きのシャンプーの使い方

育毛シャンプーの使い方

(出典:(9)洗浄料とその作用) (出典:(10)地肌マッサージの頭皮への作用)

(出典:(11)低刺激性プロトタイプシャンプーの頭部皮膚疾患患者における使用評価―頭部皮膚疾患患者を対象とした臨床試験―)
抜け毛・薄毛に向いているシャンプーの使い方は、一般的なシャンプーの使い方と同じです。ここではシャンプーの正しい使い方を解説します。

シャンプーを使う際は、まずブラシやクシで髪の毛をとかし、ホコリなどの汚れを取り除きましょう。シャンプーを手にとる前に、お湯で髪の毛を十分にすすぐことも重要です。

シャンプーで髪の毛を洗う際は、指の腹を使って頭皮をやさしくマッサージしながら行うのがおすすめです。頭皮の血行がよくなり、髪の毛に必要な栄養が頭皮に運ばれやすくなります。

注意点として爪を立ててゴシゴシと強く洗ったり、1日に何度もシャンプーをしたりするのはやめましょう。シャンプー時に爪を立てたり力を強く入れたりすると、髪の毛や頭皮を傷つける恐れがあります。また過度なシャンプーは、頭皮の皮脂を過剰に取りすぎてしまい、皮膚のバリア機能を低下させます。

髪の毛や頭皮に負担をかけないように、上記に注意しながら抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーを使いましょう。

抜け毛・薄毛対策向きのシャンプーの選び方

育毛シャンプーの選び方

洗浄力の強さで選ぶ

(出典:(12)シャンプー) (出典:(13)シャンプーの化学) (出典:(14)微量脂肪酸がアミドプロピルベタイン配合シャンプーの粘度に与える影響)

抜け毛・薄毛対策向きのシャンプーを選ぶ際は洗浄力の強さに注目しましょう。シャンプーの洗浄力は使われている界面活性剤 (洗浄成分) の種類によって異なります。

頭皮の状態がよくない人は、洗浄力が穏やかで刺激が低い界面活性剤が使われているシャンプーを選ぶとよいでしょう。たとえばアミノ酸系界面活性剤や、ベタイン型両性界面活性剤などを主成分として採用したシャンプーです。

アミノ酸には水分を適度に保つ働きもあります。頭皮の乾燥や髪の毛のパサつきなどが気になる人は、アミノ酸系界面活性剤に注目です。

またワックスやジェルなどの整髪料・スタイリング剤を頻繁に使っている人や汗をかきやすい人は、洗浄力がほどよく強い界面活性剤のものを選ぶとよいでしょう。洗浄力が穏やかなシャンプーでは、髪の毛や頭皮の汚れを十分に落とせない場合があるからです。

頭皮の状態や肌質、生活スタイルなどに合った洗浄力のシャンプーを選んでみてください。

頭皮の悩みに合わせて成分で選ぶ

(出典:(15)シャンプー) (出典:(16)洗浄料とその作用) (出典:(17)フケ症に対するミコナゾール硝酸塩配合リンスの有用性の検討−基剤を対照とした二重盲検比較試験−) (出典:(18)「美しく健やかに」毛髪と地肌を洗浄する技術)

フケ・かゆみ・乾燥・べたつきなど頭皮の悩みに合った成分が使われている抜け毛・薄毛対策に向いたシャンプーを選びましょう。

たとえばフケを防ぎたい場合は、殺菌成分入りのシャンプーを選ぶとよいでしょう。有効成分に分類される殺菌成分には、グリチルリチン酸ジカリウム・サリチル酸・イソプロピルメチルフェノール・ピロクトンオラミン・ピリチオン亜鉛・ミコナゾール硝酸塩などがあります。

また頭皮の乾燥・かゆみを防ぎたい場合は、保湿成分入りのシャンプーを選ぶとよいでしょう。保湿によって頭皮の水分量が上昇すれば、かゆみの改善も実感できると考えられます。

シャンプーの有効成分は成分表に記載されています。髪の毛だけではなく頭皮の悩みを解消するために、忘れずに成分をチェックしてみてください。

性別に合わせて選ぶ

(出典:(19)頭皮皮脂分泌量に関する研究 (第2報)) (出典:(20)ポーラ化成が男性の肌を徹底調査)

洗浄力や配合成分だけではなく、自身の性別に合ったシャンプーを選ぶことも重要です。

男性と女性とでは肌の皮脂分泌量・水分蒸発量・水分量に大きな違いがあるからです

男性は女性よりも多くの皮脂が分泌されます。「ポーラ化成」が20代から50代の男性45名を対象に実施した調査では、女性に比べて男性の肌は皮脂量が約3倍多く、水分蒸発量が2倍以上多いことが報告されました。さらに男性の肌の水分量は女性の半分以下です。

この調査結果から男性の肌は女性の肌よりも状態が悪く、荒れやすいと考えられます。過剰な皮脂によって皮膚のバリア機能が低下してしまう可能性があるからです。

一般的に皮脂の分泌はホルモンの分泌に依存するといわれています。更年期以降皮脂の分泌量が減少する女性と違って、男性は年齢を重ねてもホルモンの分泌機能が活発に保たれるので、年齢を問わず皮脂分泌量が多いと考えられます。

そのため男性は男性向けのさっぱりとした使用感のシャンプーが向いているでしょう。頭皮に溜まっている皮脂をほどよく洗い流してくれます。

また男性の肌は水分蒸発量が多い、つまり保水力が低いので、保湿力のあるシャンプーを選ぶのもよいでしょう。

抜け毛・薄毛に関するQ&A

抜け毛・薄毛に関するQ&A

シャンプー以外の抜け毛・薄毛対策アイテム

(出典:(21)男性型脱毛症と育毛有効成分) (出典:(22)頭髪用製品とその作用)

シャンプー以外の抜け毛・薄毛対策アイテムの代表例は、育毛剤や頭皮用美容液などです。

育毛剤には頭皮の血行を促す成分や炎症を抑える成分、栄養を与える成分などが含まれています

抜け毛や薄毛を防いだり改善したりする効果はありませんが、頭皮の状態を整え、清潔に保ちます。

シャンプーと一緒に、市販の育毛剤や頭皮用美容液などのアイテムを使ってみましょう。

育毛ケアは何歳から?

(出典:(23)髪の健康を考える〜美しい髪で過ごすには〜) (出典:(24)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)

育毛剤や頭皮用美容液などを用いた育毛ケアは、抜け毛の増加や薄毛の進行など髪の毛の変化を感じたら、年齢に関係なくすぐに始めましょう

抜け毛の増加や薄毛の進行には、年齢が大きく関係しているからです。加齢によって、1日に100本以上の異常な抜け毛が起こる恐れもあります。

薄毛や抜け毛が進行しすぎて後戻りできなくなる前に、髪の毛や頭皮のケアを始めてみてください。

まとめ

抜け毛・薄毛対策向きのシャンプーは髪の毛や頭皮を清浄にしたり、健やかに保ったりするためのシャンプーです。髪の毛や頭皮にとってプラスとなる成分が数多く含まれています。

抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーを選ぶ際は、この記事で紹介したように洗浄力・成分・性別の3点に注目してください。個人差があるものの洗浄力が穏やかで刺激が低いアミノ酸系のものなどを選ぶとよいでしょう。

抜け毛や薄毛などを対策したい人は、ぜひ通常のシャンプーから抜け毛・薄毛対策に向いているシャンプーに切り替えてみてください。

 

監修者紹介
佐藤 明男 医師
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤明男
■ プロフィール
1957年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。
1998年、厚生省(当時) 高度先進医療推進事業でオックスフォード大学医学部客員研究員として英国に国費留学し、帰国後、東京メモリアルクリニック・平山副院長を経て院長に就任。医療法人TMC理事長を兼任。これまで10,000人を超えるAGA(男性型脱毛症)患者を治療してきた実績を持つ、頭髪治療の第一人者。
■論文・出版情報
2007年 『医療的育毛革命』
2009年 『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』
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