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「細い髪が気になる」「髪が細いので何か対策があれば知りたい」など、細い髪が気になっていれば、このように考えている人は多いのではないでしょうか。
髪が細くなってしまう要因は複数あるので、原因を知ったうえで対策を取ることが大切です。
この記事では、細い髪の原因に触れながら具体的な対策方法について紹介します。細い髪を太くしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
髪が細くなってしまう原因とは?
髪が細くなる原因には、以下の6つが挙げられます。
遺伝
遺伝により髪が細いことが考えられます。髪の太さや質は遺伝による要素が大きいからです。
遺伝によって髪が細い場合、急激に細くなっていくことはありません。しかし対策をしても元の太さ以上にするのは難しいです。
両親や親戚など身近に、細い髪の人がいないか確認してみましょう。
加齢
(出典:(1)頭皮頭髪の年代変化について,(2)毛髪の科学と診断 第4版,(3)Male Pattern Baldness and Hair Growth Promoters)
個人差はありますが、加齢によっても髪が細くなります。加齢によりヘアサイクルが鈍くなることで、細い髪が生まれてしまうからです。
ヘアサイクルは、髪が成長する「成長期」、髪の成長が止まる「退行期」、髪が自然に抜けて新しい髪を作る準備を始める「休止期」の3段階があります。
多くの人は30代後半からヘアサイクルの成長期が短くなり、細い髪になっていきます。また徐々に毛細血管が老化していき、必要な栄養素が行き届きにくくなることも髪が細くなる要因です。
ストレス
(出典:(4)疲労とストレス,(5)ストレスと疲労のバイオマーカー,(6)I. 皮膚血流調節の温熱生理学,(7)毛髪の科学と診断 第4版)
ストレスの多い生活を送っていると、細い髪になる傾向にあります。ストレスは頭皮環境の悪化に繋がるからです。
過剰なストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、交感神経が活性化します。交感神経が活性化すると血管が収縮され、本来頭皮に送られるための血液が筋肉のほうへ優先的に運ばれてしまい、頭皮の血行不良を招きます。
また細胞の数が減りヘアサイクルも乱れてしまうので、髪が成長しきる前に抜け落ち太い毛が生えてきません。
加えてホルモンバランスの乱れも引き起こして、髪の成長を妨げる男性ホルモンが活性化してしまいます。
栄養不足
(出典:(8)中村博範 「マウスのタンパク質栄養状態と体毛タンパク質合成の関係について」,(9)喫煙の血行器に及ぼす影響 : 第一報 禁煙後に於ける喫煙の血行器に及ぼす影響)
栄養不足は髪が細くなる原因です。バランスの悪い食事を繰り返すと、髪の成長に必要な栄養が頭皮に行き届きません。
栄養不足になりがちな食事の一例は、コンビニ弁当やファストフードなどの脂質が多い食事です。日常的に摂っていると皮脂の分泌が促進され、毛穴に汚れが溜まりやすくなり髪の成長が阻害されます。
また食事以外に喫煙も注意が必要です。煙草に含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり血行不良を招いた結果、髪に栄養が届きにくくなってしまいます。
睡眠不足
(出典:(10)快眠のための睡眠判定と睡眠モニタシステム)
睡眠不足により髪が細くなることもあります。十分な睡眠が得られない状態が続くと、頭皮環境が悪化して血行不良になるからです。
睡眠中は髪を育てる成長ホルモンが特に多く分泌されるので、十分に寝なければ髪は弱々しくなります。なおしっかりと睡眠を取っていると思っていても、質が低い睡眠ではあまり意味がありません。
寝る前のスマホやパソコンの使用は睡眠の質を低下させるので、控えるようにしましょう。
間違ったヘアケア
(出典:(11)毛髪にかかる負担を軽減するための吸引式ヘアドライヤーの開発,(12)Thermo-Properties of Keratin Fiber,(13)頭髪化粧品と毛髪)
ヘアケアが間違っていると、細い髪が生まれやすくなります。誤ったヘアケアは、頭皮に余計な負担を与えてしまうことがあるからです。
髪に負担をかける要因には、以下が挙げられます。
また人によっては、自分の頭皮や髪質に合ったシャンプーを使えていないこともあります。
加えて爪を立ててシャンプーをする、濡れた状態の髪を放置するなどを繰り返すことも頭皮環境が悪くなる原因で、髪が細くなってしまう場合があります。
細い髪が気になる人は、ヘアケアの方法やシャンプーの種類を見直してみましょう。
細い髪に有効な対策とは?
細くなってしまった髪の太さを戻すための対策には、主に以下があります。
生活習慣を改善する
髪が細い人は生活習慣を見直してみましょう。規則正しい生活習慣を送ることで、ヘアサイクルが正常に機能して、健康的な髪が生えてくる可能性があるからです。
偏った食生活や睡眠不足、運動不足など改善できるものをチェックしてみましょう。
またストレスを溜めない生活を心がけることも大切です。ストレスをこまめに発散することでホルモンバランスが整い、髪が太くなることが期待できます。
なおAGA (男性型脱毛症) と診断されている場合も、生活習慣の改善が必要です。
栄養バランスの良い食事をする
(出典:(14)Villareal MJR 「Protein-calorie malnutrition diagnosis by hair tissue: A study in Filipino pre-school children.」,(15)MSD マニュアル プロフェッショナル版 ビタミン,(16)MSD マニュアル プロフェッショナル版 亜鉛)
栄養バランスの良い食事をすることも、細い髪の改善に有効な対策です。髪の成長に必要な栄養が頭皮に行き届くことで、髪が太くなる可能性があります。
髪の成長促進や頭皮環境の改善に繋がる栄養素は、タンパク質・ビタミンB2・ビタミンB6・亜鉛などです。
特に肉や魚、大豆類に含まれるタンパク質は髪の成長に欠かせない栄養素なので、意識して摂取しましょう。またビタミン不足にならないよう、野菜や果物も積極的に摂取することが大切です。
どれか一つを集中的に摂取すれば良いのではなく、どの栄養素もバランスよく摂取しましょう。
また忙しくて必要な栄養が摂れない場合は、サプリメントで補うことをおすすめします。
頭皮環境を整える
(出典:(17)Ritsuko Ehama 「Infuluence of Scalp Problem on Physical Properties of Hair and Their Prevention by Plant Extracts」,(18)洗浄料とその作用,(19)次世代ニーズを予測するための解析手法の研究 ~シャンプー開発を例として~,(20)地肌マッサージの頭皮への作用)
正しくヘアケアを行って頭皮環境を整えると、細い髪を元の状態に戻せる可能性があります。シャンプーの仕方や頭皮マッサージ、ブラッシングの正しい方法を知って実践してみましょう。
シャンプーの仕方・種類
正しいシャンプーの仕方と、適したシャンプーの種類を知っておきましょう。
シャンプーは、指の腹を使って丁寧に優しく洗うのがポイントです。ゴシゴシ強く洗うと、頭皮を傷つけてしまう恐れがあり、抜け毛や髪が傷む原因になってしまいます。
シャンプーの種類は、皮脂が多い人は低刺激で洗浄力のあるシャンプーが適しています。頭皮環境を整えるなら、髪に優しい天然由来成分のアミノ系シャンプーがおすすめです。
頭皮マッサージの仕方
細い髪を改善するためには、頭皮マッサージも有効です。
頭の中心にあるツボ「百会 (ひゃくえ) 」を両手の中指で優しく圧を加えたのち、百会の前後左右の4箇所にあるツボ「四神聡 (ししんそう) 」を中指でマッサージしましょう。
頭皮マッサージをして血行が良くなると、毛穴に詰まった汚れや老廃物が排出されやすくなります。
またリラックス効果も期待でき、ストレス軽減につながる点もメリットです。
ブラッシングの仕方
ブラッシングを正しく行えば、細い髪の対策となります。ブラッシングをする際は、まず毛先の絡みを手で軽くほぐし、毛先から真ん中、根元へと順番にブラシで優しくとかしましょう。
またシャンプー前にブラッシングをすると、髪の表面に付いたホコリを落とせるほか、頭皮の皮脂を浮かせられるので、汚れが落としやすくなります。
さらに髪のもつれがなくなることでシャンプーの泡立ちがよくなり、シャンプー時の摩擦によるダメージを軽減できます。
育毛剤を使う
(出典:(21)Male Pattern Baldness and Hair Growth Promoters)
育毛剤の使用も、細い髪の対策で有効な手段です。保湿成分が含まれる育毛剤は頭皮に潤いを与え、頭皮環境を整えるのに役立ちます。使用前にしっかりと頭皮環境を整えておくとより効果的です。
ただし育毛剤は使い始めてすぐに効果が現れるものではありません。そのため長期的な視点で使い続けることが大切です。使い続けることで毛乳頭が太くなり、太い髪が生えることが期待できます。
また頭皮の血行促進をサポートする育毛シャンプーや育毛トニックを、育毛剤と併用するのもおすすめです。
細い髪の原因を知り必要な対策を取ろう
遺伝により髪が細い場合は、元の太さ以上にすることは難しいですが、栄養不足や間違ったヘアケアなどの後天的な要因の場合は改善が見込めます。
細い髪が気になってきたらまず原因を探り、できることから見直して頭皮環境を整えていきましょう。
- 1). 頭皮頭髪の年代変化について
- 2). 7). 毛髪の科学と診断 第4版
- 3). 21).Male Pattern Baldness and Hair Growth Promoters
- 4). 疲労とストレス
- 5). ストレスと疲労のバイオマーカー
- 6). I. 皮膚血流調節の温熱生理学
- 8). 中村博範 「マウスのタンパク質栄養状態と体毛タンパク質合成の関係について」
- 9).喫煙の血行器に及ぼす影響 : 第一報 禁煙後に於ける喫煙の血行器に及ぼす影響
- 10). 快眠のための睡眠判定と睡眠モニタシステム
- 11). 毛髪にかかる負担を軽減するための吸引式ヘアドライヤーの開発
- 12). Thermo-Properties of Keratin Fiber
- 13). 頭髪化粧品と毛髪
- 14). Villareal MJR 「Protein-calorie malnutrition diagnosis by hair tissue: A study in Filipino pre-school children.」
- 15).MSD マニュアル プロフェッショナル版 ビタミン
- 16).MSD マニュアル プロフェッショナル版 亜鉛
- 17). Ritsuko Ehama 「Infuluence of Scalp Problem on Physical Properties of Hair and Their Prevention by Plant Extracts」
- 18). 洗浄料とその作用
- 19). 次世代ニーズを予測するための解析手法の研究 ~シャンプー開発を例として~
- 20). 地肌マッサージの頭皮への作用