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普通に生活しているだけで髪は抜けますが、中には要注意な抜け毛があるので気をつけなければなりません。要注意な抜け毛を放置していると、そのまま薄毛になってしまう恐れがあります。
この記事では、注意が必要な抜け毛の特徴と薄毛の前兆を紹介します。
薄毛の前兆を感じた際の対処法も解説しているので、抜け毛を改善したい人は参考にしてください。
目次
薄毛の前兆の可能性が高い抜け毛の特徴
薄毛の前兆である可能性が高い要注意な抜け毛の特徴は、以下になります。
毛根の色・形が正常ではない
正常な毛根は根元が白く丸みを帯びています。
抜け毛の毛根が以下のようになっている場合は、何らかのトラブルで抜けている可能性が高いため注意が必要です。
全体的に黒い | 血行不良などで髪に必要な栄養が届いていない |
細くて尖っている | 髪の栄養不足・ヘアサイクルの乱れ |
形がいびつ | ストレスによる脱毛・自己免疫疾患による脱毛 |
毛根が無い・非常に小さい | ヘアサイクルが乱れて成長途中で抜けている |
白くてべたついている | 頭皮の過剰な皮脂がこびりついている |
毛根が白くてべたついている場合、毛穴にも皮脂が詰まっています。抜け毛リスクが高いので、早めのケアが大切です。
抜け毛が細くて弱い・短い
(出典:(1)中村博範 「マウスのタンパク質栄養状態と体毛タンパク質合成の 関係について」,(2)毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA))
抜け毛が細くて短い場合は、薄毛の前兆である可能性が高いと考えられます。細くて弱い毛は成長しきらずに、途中で抜けてしまった髪の毛だからです。
成長の途中段階である細くて弱い毛は、本来なら抜け落ちることはありません。抜けてしまうのは、ヘアサイクルが短くなっている証拠です。
抜け毛が細くて弱い場合、AGA (男性型脱毛症) や髪の栄養不足が考えられるので、早めに対処しましょう。
抜け毛の本数が多い
抜け毛の本数が明らかに多くなった場合は、薄毛の前兆と考えられます。1日200本以上抜けるようになると、抜け毛が目に見えて分かるようになるので、目安にしましょう。
また以下に当てはまる場合は、抜け毛が増えている恐れがあります。
ただし秋は抜け毛が増えるので、200~300本でも正常の範囲内といわれています。
抜け毛以外にもある!薄毛の前兆
薄毛の前兆は抜け毛だけではありません。以下に当てはまる場合は注意が必要です。
頭頂部が薄くなった
以前と比べて頭頂部が明らかに薄くなるのは、薄毛の前兆といえます。すでにAGAが進行している可能性もあるので注意が必要です。
頭頂部が薄いか判断する基準は、以下になります。
早い段階で薄毛に気づくために、頭頂部の薄さを定期的にチェックしておきましょう。
おでこの生え際が後退した
おでこの生え際が後退するのも薄毛の前兆です。以下に当てはまる場合は、注意してください。
生え際の後退をチェックするには、指をおでこに乗せる方法がおすすめです。今まで指4本分だったのが5本分になったら、薄毛が進行していると判断できます。
髪が細くなった
(出典:(3)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版,(4)薄毛・脱毛の原因遺伝子の発見 キューティクル層を構成する Sox21 タンパク質の機能,(5)中村博範 「マウスのタンパク質栄養状態と体毛タンパク質合成の 関係について」)
以前と比べて髪が細くなるのも薄毛の前兆といえます。髪が細くなる主な原因は以下のとおりです。
頭皮への栄養供給の低下などが原因で、細くて弱い髪が増えます。細くて弱い髪は抜けやすくなっている状態です。
放っておくと薄毛リスクが高まるので、明らかに髪の細さが気になる場合は、早めにクリニックを受診しましょう。
フケが増えた
(出典:(6)低刺激性プロトタイプシャンプーの頭部皮膚疾患患者における使用評価―頭部皮膚疾患患者を対象とした臨床試験―)
急にフケが増えた場合は、頭皮環境が悪化している可能性があります。フケが毛穴に詰まって、抜け毛を誘発することもあるので気をつけましょう。
フケは頭皮の角質が剥がれたもので、増える原因は頭皮の乾燥か皮脂の過剰分泌です。洗浄力が強すぎるシャンプーの使用や、空調の効いた部屋で長時間過ごしていると、フケが増えやすいといわれています。
薄毛の前兆を感じたときの対処法
薄毛の前兆を感じた際は、以下を試してみましょう。
生活習慣を改善する
(出典:(7)e-ヘルスネット たんぱく質,(8)ビタミンEによ る凍瘡の治療経験,(9)頭髪外来における内服・外用による男女の発毛治療,(10)厚生労働省eJIM)
薄毛の前兆を感じたときは、まず生活習慣を改善しましょう。生活習慣が乱れていると髪に栄養が行き渡りにくくなり、薄毛リスクが上がってしまいます。
生活習慣を整えるには、以下を意識してみてください。
食事の際は髪を作るうえで必須のタンパク質やミネラル、血行促進をサポートするビタミンをバランス良く摂りましょう。
また睡眠の質を高めるために、就寝前にブルーライトを浴びないようにすることも大切です。
ストレスを溜めない
(出典:(11)疲労とストレス)
薄毛予防をするなら、ストレスを溜めないようにすることも大切です。
ストレスを受けると自律神経が乱れ、交感神経が優位に働きます。すると血管が収縮し頭皮の血行不良に繋がるため、髪にとって良くありません。
ストレスは髪にとって大敵なので、疲れたときは無理をせずゆっくり休みましょう。
シャンプーを見直す
(出典:(12)皮膚洗浄のための界面活性剤による角層構造変化観察)
薄毛の前兆を感じた場合は、使っているシャンプーの種類や、シャンプー方法を見直してみましょう。
シャンプーを見直すことで、頭皮環境が改善される場合があります。シャンプーをする際は、指の腹を使って優しく洗いましょう。
また洗浄力の強いシャンプーで、1日に何度も髪を洗うのは良くありません。頭皮が乾燥してしまい、かゆみやフケがでやすくなります。基本的にシャンプーは、1日1回に留めましょう。
AGA治療を受ける
(出典:(13)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版)
頭頂部や生え際の髪が薄くなってきている場合は、早めにAGA治療を受けましょう。AGAは放っておくと徐々に進行してしまうため、早めの対処が大切です。
AGA治療では、内服薬と外用薬を使用するのが一般的です。また希望すれば発毛因子を頭皮に直接注入する、メソセラピーという治療も受けられます。
抜け毛は薄毛の前兆かも!気づいたら早めのケアが大事
健康な髪でも一定の本数は抜け落ちますが、明らかに状態がおかしい抜け毛が増えた場合は薄毛を疑いましょう。
また抜け毛以外にも薄毛の前兆は複数あります。抜け毛に加えて髪や頭皮にも異常が見られた場合は、早めに対処しましょう。
- 1).5).川崎医療福祉学会誌 Vol.22 No.2 2013 200 − 207
- 2).日本香粧品学会誌/42 巻 (2018) 2号/ p. 93-97
- 3).13).日皮会誌:127(13),2763-2777,2017(平成 29) P.2763~2777
- 6).日本香粧品学会誌 Vol.41, No.1, pp.15–22 (2017)
- 7).e-ヘルスネット 厚生労働省
- 8).皮 膚 ・第5巻 ・第1号 ・昭 和38年2月
- 9).WAARM Journal, 2018; 1: 40–42
- 10).厚生労働省eJIM > 海外の情報 > 亜鉛
- 11).バイオメカニズム学会誌/21巻 (1997) 2号
- 12).SPring-8/SACLA利用研究成果集/1巻 (2013) 2号/ P.49-51