# HAIR CARE
                   
更新日:2023.09.01

フケや頭皮のかゆみの原因は?フケの正体と対処法、ケア方法をご紹介

監修者紹介
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤 明男 医師
佐藤明男
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。  
監修者一覧

毎日清潔にしているのに「フケが気になる」「頭皮がかゆい」などの悩みを抱えている人はいるでしょう。フケを防ぐためにはフケの正体を知り、正しい対処法をとることが大切です

本記事ではフケの症状が起きる原因やフケのタイプ・フケによる頭皮のかゆみの原因・フケやかゆみの対処法を解説します。日常的に取り入れられる頭皮ケアもご紹介するので、興味のある人はぜひ参考にしてください。

フケとは?

フケとは?

(出典:(1)フケ抑制剤の評価と開発に関する研究) (出典:(2)フケ症に対する 0.75% 硝酸ミコナゾール配合シャンプーの有用性の検討―シャンプー基剤を対照とした二重盲検比較試験)

フケとは頭皮の古い角質細胞がはがれ落ちたものです。

古くなった角質細胞がはがれ落ちる過程は生理現象であり、誰にでも起こりえます。正常なフケは目に見えないほど小さいので、基本的にはほとんど気になりません。

しかし皮膚のターンオーバーが過剰になると、フケの量が増えたり、目に見えるほど大きなフケが発生したりします。フケ自体は病気ではありませんが、放置していると「脂漏性皮膚炎」やかゆみ・脱毛につながる恐れもあるため、速やかに対処すべきでしょう。

フケの症状が起きる原因

フケの症状が起きる原因

(出典:(3)ヘアケアの科学) (出典:(4)Malasseziaと脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎) (出典:(5)フケ抑制剤の評価と開発に関する研究)

フケ症状の主な原因のひとつに「マラセチア菌」が挙げられます。マラセチア菌は誰の皮膚にも存在する常在菌ですが、増えすぎるとターンオーバーが過剰になり、フケやかゆみの原因となります

乾燥もフケ症状の原因のひとつです。とくに空気が乾燥する冬は頭皮の水分量も低下しやすいため、パラパラとしたフケが増えやすいと考えられています。

皮膚の常在菌や季節による水分量の低下のような外的要因だけでなく、ストレスや栄養状態の悪化などの内的要因もフケを引き起こす原因になる可能性があります

フケのタイプ

フケのタイプ

フケには以下の2タイプがあります。

脂性フケ (べたべた・べとべと)
乾性フケ (カサカサ)

あなたのフケはどちらのタイプなのかチェックしてみてください。

脂性フケ (ベタベタ・ベトベト)

(出典:(6)ヘアケアの科学) (出典:(7)Malasseziaと脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎)

脂性フケは頭皮の皮脂量が過剰な人に発生しやすい傾向があります。ベタベタとした黄色いフケで、頭皮に張り付いてはがれにくいのが特徴です

主に皮膚の常在菌であるマラセチア菌の増加が原因とされていますが、洗髪不足による不衛生も影響すると考えられています。

乾性フケ (カサカサ)

(出典:(8)フケ抑制剤の評価と開発に関する研究)

乾性フケは頭皮が乾燥しやすい人に発生しやすく、白くパラパラしているのが特徴です。とくに冬は湿度低下によって頭皮の水分量が維持できず、カサカサしたフケが発生しやすくなります。

フケが気になるからといって何度もシャンプーを繰り返すと、余計に頭皮の乾燥を悪化させてしまうので注意が必要です。

脂性フケと乾性フケの違い

(出典:(9)マラセチア関連疾患) (出典:(10)毛髪・頭皮にやさしい洗浄技術)

脂性フケと乾性フケの違いを見た目や原因・増えやすい季節などでまとめました。

脂性フケ 乾性フケ
見た目 黄色いベタベタ 白いパラパラ
原因 過剰な皮脂の増加・洗髪不足 頭皮の乾燥・過剰な洗髪
増えやすい季節 湿気が多い梅雨から夏 空気が乾燥する冬

脂性フケと乾性フケは原因や特徴がまったく異なるため、違いをよく理解した上で、自分に合ったフケ対策を行うと良いでしょう

年齢・性別・季節によってもタイプが異なる

(出典:(11)皮膚のバリア,角層をめぐる炎症)

フケは年齢や性別・季節によっても発生しやすいタイプが異なります。たとえば皮脂分泌が多い年齢になると、フケを引き起こすマラセチア菌が増殖し、ベタベタとした脂性フケが発生しやすくなるでしょう。

反対に年齢を重ねると角質の水分量が減り乾燥しやすくなるため、パラパラとした乾性フケが発生しやすいです。さらに季節による湿度の変化が加わることで、フケの症状が改善したり悪化したりを繰り返すこともあるでしょう。

このようにさまざまな要因によってフケの症状が変化するため、総合的に判断すると自分のフケタイプが見分けやすくなります

脂漏性皮膚炎の可能性も?

脂漏性皮膚炎の可能性も?

(出典:(12)マラセチア関連疾患)

フケの症状が気になる場合は、脂漏性皮膚炎の可能性も考えられます。脂漏性皮膚炎は頭皮の中でも皮脂が多い箇所に発生しやすく、炎症によるかゆみや黄色のべたべたとしたフケが特徴です。

先ほど解説した「脂性フケ」は脂漏性皮膚炎の初期症状とされており、悪化すると皮膚の赤みやかゆみ・フケの増加などの症状が現れます。「脂漏性皮膚炎かも」と心配な方は自己判断せず医師に相談しましょう。

フケと脂漏性皮膚炎の違い

(出典:(13)毛髪・頭皮にやさしい洗浄技術)

一般的なフケと脂漏性皮膚炎の大きな違いは、かゆみがあるかどうかです。

一般的なフケはかゆみを伴いません。気づいたら肩にハラハラと置いているような状態であれば、通常のフケと考えて良いでしょう。一方の脂漏性皮膚炎は、皮膚が炎症を起こしているため、かゆみを伴う場合が多いです。

脂漏性皮膚炎以外にもフケを引き起こす病気はいくつかあります。下記の記事で詳しく解説していますので、興味がある人は合わせてご覧ください。

頭皮の炎症は頭皮湿疹が原因!種類別の症状と炎症を防ぐ方法を解説
頭皮の炎症は頭皮湿疹が原因!種類別の症状と炎症を防ぐ方法を解説

フケの発生で起きるかゆみの原因は?

脂漏性皮膚炎の可能性も?

(出典:(14)フケ症に対する 0.75% 硝酸ミコナゾール配合シャンプーの有用性の検討―シャンプー基剤を対照とした二重盲検比較試験) (出典:(15)毛髪・頭皮にやさしい洗浄技術)

しばしばフケの発生でかゆみを誘発することがありますが、それはフケ発生に伴い生成される「遊離脂肪酸」や「過酸化脂質」などの刺激物質によって頭皮が炎症を起こすことが主な原因です。

それ以外にも頭皮の乾燥がかゆみを引き起こすこともあります。かゆみが強い人は以下の記事で「頭皮のかゆみ」について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

【頭がかゆい原因実装後関連リンクとして設定】

フケやかゆみの対処法

フケやかゆみの対処法

(出典:(16)フケ症に対する 0.75% 硝酸ミコナゾール配合シャンプーの有用性の検討―シャンプー基剤を対照とした二重盲検比較試験) (出典:(17)毛髪・頭皮にやさしい洗浄技術)

フケやかゆみが気になる人はまず、今使用しているシャンプーやリンスなどのヘアケア製品を低刺激なものに変更してみましょう。シャンプーは洗浄力が強い方がフケ対策になるように思えますが、すでにフケやかゆみが発生している場合は刺激が悪影響になる恐れがあります

シャンプーやリンスにはフケ対策用と銘打った商品もあるのでチェックしてみましょう。フケ対策ができるヘアケア用品に配合されている代表的な成分に、「ミコナゾール硝酸塩」があります。ミコナゾール硝酸塩の効果は、フケの要因となるマラセチア菌の増殖の抑制です

また頭皮の乾燥が気になる人には、保湿剤配合のヘアケア剤を選ぶようにしましょう。

もしフケ用のシャンプーやリンスを使用してもフケやかゆみの症状が治まらない場合は、皮脂の過剰分泌や乾燥以外の原因がひそんでいるかもしれません。一度医師に相談してみるといいでしょう。

フケを防ぐ正しい頭皮ケア

フケを防ぐ正しい頭皮ケア

フケを防ぐには日頃から正しい頭皮ケアを行うことが大切です。すこやかな頭皮を維持するために、以下の4つの頭皮ケアを試してみてください。

適度なシャンプーで清潔に保つ
爪を立ててゴシゴシ洗わない
シャンプー後はできるだけ早く乾かす
バランスの取れた食生活を心がける

適度なシャンプーで清潔に保つ

(出典:(18)ヘアケアの科学) (出典:(19)皮膚のバ リア,角層をめぐる炎症) (出典:(20)低刺激性プロトタイプシャンプーの頭部皮膚疾患患者における使用評価―頭部皮膚疾患患者を対象とした臨床試験―)

フケを防ぐためには、まず頭皮を清潔に保つことが重要です。シャンプーを使って洗髪を行い、髪や頭皮に汚れが残らないようにしっかり洗い流しましょう。

しかし洗いすぎも逆効果になることがあります。過度なシャンプーは頭皮に必要な保湿成分や皮脂まで洗い流してしまい、結果として頭皮のバリア機能が低下してしまうからです。

頭皮の乾燥が気になる人や、一日一回のシャンプーでは物足りない人には、シャンプーを使う前に、しっかり予洗いをすることをおすすめします。お湯のみである程度汚れや皮脂を落せるので、シャンプーの量や回数を減らし、頭皮にかかる負担を軽減できるでしょう。

爪を立ててゴシゴシ洗わない

(出典:(21)皮膚のバ リア,角層をめぐる炎症)

フケが気になるからといって力強くゴシゴシ洗うのは避けてください。

とくに爪を立ててしまうと、それだけで頭皮が炎症を起こし、フケ症状を悪化させてしまう恐れがあります。

シャンプーの際は、指の腹を使い、優しく丁寧に頭皮を洗うようにしましょう。

シャンプー後はできるだけ早く乾かす

(出典:(22)入院患者の頭髪および頭皮のブドウ球菌の汚染状況と洗髪による汚染除去の効果) (出典:(23)tm-SHEL モデルとそのケーススタディ)

シャンプーの後に濡れた髪を放置するのもおすすめできません。湿気が多い環境は、細菌が増殖しやすいからです。

洗髪後はしっかりタオルドライを行い、ドライヤーでできるだけ早く乾かすようにしましょう

ドライヤーは近づけすぎると熱によって頭皮の負担になることがあるため、十分に離した状態で使用するようにしてください。

バランスの取れた食生活を心がける

(出典:(24)4. 健康に生きるためのビタミン摂取のあり方: ビタミン B_2 物語 (平成 15 年度日本ビタミン学会市民公開講座))(出典:(25)日本食品標準成分表2020年版(八訂))

バランスの取れた健康的な食生活も、正常な皮膚を維持するための大切な要素です。

たとえばビタミンB2が不足すると、皮膚に炎症が起きやすくなり脂漏性皮膚炎を引き起こす可能性があります

ビタミンB2は牛や豚などの肉類や海藻類に多く含まれますが、ブロッコリーやひらたけのような野菜類やきのこ類でも摂取できます。手に取りやすい食品を中心にバランスの良い食生活を心がけ、皮膚や粘膜を健康的な状態にしましょう。

フケの正体を知って、正しいケアを行いましょう!

フケはフケ原因菌であるマラセチア菌の増加や、頭皮の乾燥が主な原因です。フケは脂性フケと乾性フケに分けられ、それぞれ原因がまったく異なるため、自分がどちらのタイプなのかしっかり判断することが大切です。

フケやかゆみが気になる人には、フケ用シャンプーや保湿剤入りのヘアケア製品の使用をおすすめします。日頃から正しい頭皮ケアを意識して、すこやかな頭皮環境を目指しましょう。

 

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