# HAIR CARE
2021.11.10

頭皮の炎症は頭皮湿疹が原因!種類別の症状と炎症を防ぐ方法を解説

監修者紹介
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤明男
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 横浜市立大学非常勤講師, 日本形成外科学会専門医, 日本再生医療学会専門医・代議員, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。

頭皮の炎症・かゆみが急に気になりだした場合、頭皮湿疹の可能性が高いと考えられます。頭皮湿疹は放っておくと薄毛の原因になることもあるため、早めの対処が必要です。

この記事では頭皮湿疹の症状と治療法、頭皮の炎症を防ぐ方法を解説しています。不快な頭皮の炎症をどうにかしたい人は、参考にしてください。

 

頭皮の炎症は頭皮湿疹が原因!種類別に解説

頭皮の炎症に加えブツブツやかゆみがある場合、頭皮湿疹が原因であると考えられるため注意が必要です。頭皮湿疹には以下の種類が存在します。

接触皮膚炎
脂漏性皮膚炎
皮脂欠乏性皮膚炎(乾燥性皮膚炎)
アトピー性皮膚炎
膿痂疹 (のうかしん)
毛嚢炎 (もうのうえん)

それぞれの症状や特徴を詳しく解説していきます。

 

接触皮膚炎

接触皮膚炎とは、いわゆるかぶれのことです。成分などに対して起こるアレルギー性のものと、皮膚に対する刺激によって起こるものが存在します。

強い刺激を受けるほど炎症も強くなるのが特徴で、水疱やブツブツ、赤みやかゆみなどが主な症状です

接触皮膚炎の原因となる刺激は、シャンプーや整髪料、摩擦など多岐にわたります。

 

脂漏性皮膚炎

(出典:(出典:(1)皮膚のバリア, 角層をめぐる炎症,(2)Malassezia と脂漏性皮膚炎 ・アトピー性皮膚炎,(3)マラセチア関連疾患)

脂漏性皮膚炎は、頭皮の常在菌であるマラセチア菌が増殖することで引き起こされます。頭皮の赤み・かゆみ・フケなどが主な症状です。

マラセチア菌は、頭皮の皮脂によって増殖するのが特徴で、皮脂の過剰分泌や髪を洗っていない場合に、なりやすい傾向にあります。

また以下も脂漏性皮膚炎を引き起こす原因です。

男性ホルモンが多い
過度のストレスを抱えている
ビタミンB不足

脂漏性皮膚炎は放置すると、抜け毛の原因となってしまいます

 

皮脂欠乏性皮膚炎 (乾燥性皮膚炎)

皮脂欠乏性皮膚炎とは、皮脂の欠乏による頭皮の乾燥が原因で起きる炎症のことです。皮脂の欠乏により皮脂の分泌が減少してバリア機能が低下することで、少しの刺激でも炎症を起こしやすくなります。

皮脂欠乏性皮膚炎になる原因として考えられるのは、間違ったヘアケアや不規則な生活です

またもともと乾燥肌の人や生まれつき皮脂の分泌が少ない人も、皮脂欠乏性皮膚炎になりやすいといわれています。

 

アトピー性皮膚炎

(出典:(4)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018)

アトピー性皮膚炎とは肌のバリア機能が低下し、外部から刺激が入り込むことで炎症を引き起こす皮膚疾患です。ダニ・カビ・汗・黄色ブドウ球菌などが免疫細胞と結びつき、赤みや湿疹、かゆみなどの症状を引き起こします

アトピー性皮膚炎は、全身または部分的に強いかゆみを伴う湿疹ができるのが特徴です。また症状の回復と悪化を繰り返し、慢性的な経過をたどります。

 

膿痂疹 (のうかしん)

膿痂疹とは、かゆみを伴う湿疹のことです。傷がついた状態の頭皮に、細菌が繁殖することで引き起こされます。

小さな水疱が集まったものが破れ、かさぶたが形成されるのが典型的な症状です。頭を強くかく・爪を立てて髪を洗う・強いブラッシングが主な原因といわれています

膿痂疹には黄色ブドウ球菌や連鎖球菌が関連しているとされており、触ると移るので注意が必要です。

 

毛嚢炎 (もうのうえん)

毛嚢炎とは毛根部分に黄色ブドウ球菌などの細菌が感染することで、引き起こされる皮膚疾患を指します。

内部に膿が溜まった赤いしこりができ、しこりの圧迫により痛みを生じるのが特徴です。また悪化するとせつ(おでき)ができ、膿が出てくることもあります。

毛嚢炎が原因で脱毛症を起こすこともあるので、早めの対処が必要です

 

頭皮湿疹で病院に行くタイミング悩む人

頭皮湿疹で病院に行くタイミングは、以下の場合です。

炎症とともにかゆみやフケを伴う場合
頭皮から出血や膿が出ている場合
しこりがある場合

かゆいからと爪で引っ掻いてしまうと、症状が悪化するので気をつけてください。頭皮湿疹が悪化すると治療が長期化し、髪の成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。

頭皮湿疹の種類により対処法が変わるので、早めに病院を受診することが大切です。

 

頭皮湿疹の治療方法

(出典:(5)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018, (6)マラセチア関連疾患)

頭皮湿疹の治療では、塗り薬やシャンプーを用いるのが一般的です。具体的にどのような治療をするのか、詳しく解説していきます。

 

塗り薬での治療

頭皮湿疹の種類に応じて、以下の塗り薬を使用して治療をします。

ステロイド外用薬 頭皮の炎症を抑制
抗真菌剤 マラセチア菌に対処
抗生剤 黄色ブドウ球菌や連鎖球菌に対処

自己判断で自宅にある薬を塗ると、かえって悪化してしまう恐れがあります。どのタイプの頭皮湿疹か見極めるのは素人では難しいので、医師に診断してもらい薬を処方してもらいましょう。

 

シャンプーでの治療

(出典::(7)低刺激性プロトタイプシャンプーの頭部皮膚疾患患者における使用評価 ―頭部皮膚疾患患者を対象
とした臨床試験―)

マラセチア菌による脂漏性湿疹で炎症が起きている場合は、抗真菌剤入りのシャンプーを処方されるのが一般的です。

抗真菌剤入りのシャンプーは、薬局やドラッグストアでも購入できるため、自己判断で対処したくなるかもしれません。しかしまずはクリニックで、きちんと診断を受ける必要があります

なぜならもし脂漏性皮膚炎ではなかった場合、シャンプーでケアしても頭皮の炎症は改善しないからです。そればかりか頭皮湿疹を長引かせてしまう恐れもあるので、まずは原因の特定が必要となります。

 

頭皮の炎症を防ぐ方法


頭皮の炎症を防ぐ方法には、以下が挙げられます。

シャンプーの種類を変える
シャンプー方法を見直す
ドライヤー方法を見直す
紫外線を避ける
規則正しい生活を心がける

それぞれ詳しく解説していきます。

 

シャンプーの種類を変える

(出典::(8)低刺激性プロトタイプシャンプーの頭部皮膚疾患患者における使用評価 ―頭部皮膚疾患患者を対象
とした臨床試験―, (9)シャンプー
)

頭皮の炎症を防ぐには、自分の頭皮に合ったシャンプーを使うことが大切です。頭皮に適したシャンプーを使うことで、ダメージを抑えながら余分な皮脂のみを落とせます。

皮脂の分泌が多い人は、洗浄力の強いシャンプー皮脂をコントロールできるシャンプーを使いましょう。

反対に頭皮が乾燥している人は、アミノ酸系シャンプーなど洗浄力がマイルドなものや、潤いを与えられるものが適しています。

またアレルギー体質の場合は、できるだけ低刺激のシャンプーを選びましょう。

 

シャンプー方法を見直す

今までゴシゴシ洗いや熱いお湯でシャンプーをしていた場合は、シャンプー方法を見直しましょう。頭皮に負担をかけないようにシャンプーをすることで、不要な皮脂だけを落とせます。

正しいシャンプーの方法は、以下のとおりです。

お湯の温度を38度程度のぬるめに設定する
シャンプー前に髪と頭皮を十分に濡らす
シャンプーを手で十分に泡立て髪につける
指の腹で力をやさしく洗う
頭皮や髪に泡が残らないよう丁寧にすすぐ

皮脂欠乏性皮膚炎の場合、洗いすぎが原因で頭皮の皮脂を失っている場合もあります。頭皮が清潔な状態を保てる程度に、洗髪の回数を減らしてみるのも一つの手です。

皮脂を取りすぎないことで、炎症が起きづらくなる可能性があります。

 

ドライヤーの方法を見直す

(出典:(10)トピック1 放射線性皮膚炎に対するケア)

頭皮の炎症を防ぐには、ドライヤーの方法も見直す必要があります。ドライヤーの当て方が原因で、頭皮が炎症を起こしている可能性もあるからです。

頭皮の近くから温風を当てるとダメージを与えてしまうので、ドライヤーは最低でも30cmは離して使用しましょう

また事前にしっかりとタオルドライし、少しでも髪の水分を取り除いておくことも大切です。タオルドライをしておくことでドライヤーの時間を短縮でき、頭皮へのダメージを抑えられます。

 

紫外線を避ける

(出典:(11)トピック1 放射線性皮膚炎に対するケア)

頭皮の炎症を極力防ぐためには、紫外線を避けることも大切です。紫外線を大量に浴びてしまうと頭皮が炎症や乾燥を起こし、ダメージを促進してしまう恐れがあります

頭皮へのダメージを防ぐために、紫外線の強い時期は帽子を被りましょう。

 

規則正しい生活を心がける

頭皮の炎症を防ぐには、規則正しい生活が重要となります。なぜなら頭皮を健康な状態に保つには、ターンオーバーを整えることが必要不可欠だからです

ターンオーバーが整い、正常なサイクルで細胞が生まれ変わることで、バリア機能が高い状態をキープできます。以下のような規則正しい生活を心がけましょう。

脂肪分の多い食事を減らす
過労やストレス、睡眠不足を避ける
適度な運動を習慣的に行う
牛乳や卵などをはじめとしたビタミンBを多く含む食品を摂る
コーヒーやアルコール、香辛料を摂りすぎない

またストレスで免疫力が低下して皮膚が敏感になり、湿疹やかゆみを引き起こしている場合もあります。ストレスを溜め込めないよう気をつけましょう。

 

頭皮の炎症は抜け毛にも繋がる!早めの対処を

頭皮の炎症が起きたとき、頭皮湿疹の種類によっては抜け毛に繋がる場合もあるため注意が必要です。頭皮湿疹が悪化するとそのぶん治りも遅くなるので、早めに病院を受診し対処しましょう。

また頭皮の炎症を防ぐには、日常生活にも気をつける必要があります。シャンプーの見直しや規則正しい生活など、自分のできることから始めましょう。

 

文 献
1)炎症/19 巻 (1998-1999) 6 号/ P. 319-330
2)日本医真菌学会雑誌/46 巻 (2005) 3 号/ P.163-167
3),6)Medical Mycology Journal/53 巻 (2012) 2 号/P.97-P.102
4),5)日本皮膚科学会雑誌第128巻第12号
7),8)日本香粧品学会誌/41 巻 (2017) 1 号/p. 15-22
9)Journal of Japan Oil Chemists’ Society/Volume 18 (1969) Issue 7/Pages 364-373
10),11) 日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌 17 巻 (2013) 4 号

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ArtNature

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