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更新日:2023.01.23

薄毛治療の最新版!今、業界で注目されている薄毛治療は?

監修者紹介
いなばクリニック
稲葉 岳也 医師
稲葉 岳也
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士取得。東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。
皮膚科・形成外科領域のレーザー治療、及びアレルギー疾患の総合的治療が専門です。皮膚科、美容皮膚科、形成外科、美容外科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、アレルギー科を主体として、幅広い視点で総合的な診療を行っております。レーザー機器を導入した医療を行っており、幅広い年齢層を対象としたホームドクターとして、地域密着の診療に尽力しております。  
監修者一覧

「どうせ受けるなら最先端の薄毛治療を受けてみたい」と思いませんか?

薄毛治療はめまぐるしく進歩し続けており、従来型の治療法以外にも、新しくて効果の高い治療法が次々と登場しています。

本記事では最新の薄毛治療を紹介し、治療内容・特徴・専門家の評価・かかる費用や期間についてまとめて解説します

現在注目されている最先端の治療法をまとめたので、最新の薄毛治療について知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

薄毛治療の最新版!

カウンセリングする医師

LED照射治療

(出典:(1)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)
LED照射治療は頭皮に赤色LEDを照射して発育を促進する最新の薄毛治療です

補助的な治療であり、単独で薄毛を治療するというよりも、内服薬などの他の治療法と組み合わせることで発毛効果をアップさせることが目的です。

専用の機材がある病院やクリニックに行き、LEDの照射治療を受ける形になります。

特徴

LED照射治療は発毛促進に効果があります。

LEDの照射にはコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促したり、細胞の増殖を促したりする作用があると種々の研究で報告されています。薄毛治療としてのLED照射もこれを応用したものです。

毛根の奥には毛乳頭と呼ばれる部位があり、毛母細胞に髪の毛を作らせるための指令を送っています。

LED照射治療では、赤色LEDを当てて毛乳頭を刺激することで細胞増殖因子の分泌を促します。結果として毛母細胞の働きが活性化し、発毛を促進する効果が得られるのです。

赤色LEDは波長が長いため、毛根の根元にある毛乳頭にまでしっかり届きます。

LEDを照射するだけなので痛みはありません。照射時は頭皮がほんのり温まり、血行促進やリラックス効果も同時に得られます。

ダウンタイムもないので、日常生活に支障もきたしません。照射後すぐにお風呂に入ったりシャワーを浴びることも可能です。

評価

日本皮膚科学会がまとめている「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、さまざまな薄毛治療の推奨度を5段階評価で評価しています。

そのガイドラインの中でLED照射治療の推奨ランクは「B」、すなわち「行うよう勧める」という評価になっています。

被験者を使った臨床試験でも「有意にレーザー照射群の毛髪が増加していた」という研究結果が出ており、その効果のほどは実証済みです。

そのため日本だけでなく、イギリス・フランス・ドイツ・カナダなどの諸外国で採用されています。

施術回数

LED照射治療の1回の施術時間は約20分です。

一度に長時間の照射を受けるよりも、定期的に継続して照射を受けた方が発毛効果が高くなると実証試験で示されています。

診察や薬の処方を受ける際に、ついでに照射治療を受けていくという形になるケースが多いようです。

忙しくて頻繁に通院するのが難しい方のために、自宅で使えるLED照射用のヘッドギアを販売しているクリニックも存在します。

 

PRP毛髪療法

(出典:(2)多血小板血漿 (PRP) のヒト培養毛乳頭細胞に及ぼす影響と育毛への効果)

特徴

PRP毛髪療法は最新の再生医療の一種です。

PRPは「Platelet Rich Plasma」の略で、多血小板血漿療法とも呼ばれます。血小板が持つ再生力を利用した治療法です。

もともとは皮膚潰瘍や火傷の治療、怪我や関節痛の治療、歯肉の再生治療などに使われてきた歴史があります。

PRP毛髪療法では、自らの血液を遠心分離機にかけることで血小板が高濃度で含まれた血漿を作り、それを頭皮に直接注入します

血小板に含まれる成長因子が髪の毛を作る細胞の活性化や増殖を促すことで、発毛効果抜け毛防止効果が得られます。

成長因子を頭皮に注入する治療法は他にもありますが、PRP毛髪療法は自身の血液を利用する点が特徴です。

そのためアレルギーや副作用が起こりにくく、従来の注入治療に比べて安全性の高い方法となっています。

PRP毛髪療法は厚生労働省の認可を受けている病院やクリニックのみで実施されています。

評価

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、PRP毛髪療法の推奨ランクは「C2」、すなわち「行わない方がよい」と評価されています

その理由としては「安全性なども含め、その有効性は決して十分に検証されているとはいえない」ことが挙げられています。

現時点ではまだ先進医療の段階にある治療法であるといえるでしょう。

ただしアメリカなどの諸外国でも注目が集まっており、今後研究が進めば広く実用化される可能性も考えられます。

施術回数

PRP毛髪療法の施術回数は2~6回が一般的です。治療期間としては3ヶ月~1年を目安に、薄毛の様子を見ながら施術をつづけていきます。

 

ヘアフィラー

(出典:(3)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版, (4)男性型脱毛症のフィナステリド治療効果と アンドロゲン受容体遺伝子CAGリピート多型との相関性)

特徴

ヘアフィラーは「ペプチド化合物」を頭皮に注入することで発毛を促す最新の薄毛治療です。

ペプチドはタンパク質とアミノ酸の中間形態ともいうべきものです。結合しているアミノ酸が50個以上のものをタンパク質、50個未満の小さいものをペプチドと呼びます。

ヘアフィラーで使われるペプチド化合物には、脱毛因子の働きを阻害して抜け毛を防止したり、毛乳頭の死滅を抑えて毛包の形成を助けたりする効果が確認されています。

従来型の注入治療では成長因子を頭皮に注入しますが、ヘアフィラーはただの成長因子よりも安定した発毛効果をもたらすというのが定説です。

注入する際にはヒアルロン酸とともに頭皮に送り込まれ、その後約15日間にわたって持続的に発毛効果を発揮します。

注射なので多少の痛みは伴いますが、極細の注射針を使うなどで痛みが少なくなるように工夫されています。またペプチドは分子量が非常に小さいので注入時の痛みも少なめです。

日本でも徐々に導入するクリニックが増えてきています。

他の医薬品との治療の組み合わせ

ヘアフィラーは他の治療法と組み合わせて実施することが可能です。

特にミノキシジルやフィナステリドなどのAGA治療薬による投薬治療と併用されるケースが多いです

ヘアフィラーと治療薬とでは薄毛にアプローチする仕組みが異なるため、相乗効果でよりいっそう高い発毛効果が期待できるようになります。

施術回数

ヘアフィラーの施術回数は4~12回が目安になります。

期間としては2ヶ月から半年ほど継続します。1回の注入で約15日間効果が持続するため、2週間に一度のペースで施術を受けるのが一般的です。

 

ダブルマトリックス

(出典:(5)毛髪の科学:蘇る不思議)

特徴

ダブルマトリックスは薄毛になっていない部位から採取した毛包組織を利用した再生医療の一種です。

男性に多いAGAは頭頂部や生え際などが局所的に脱毛していきます。裏を返せば後頭部などには健康な毛包組織が残っているということでもあります。

ダブルマトリックスでは髪の生えている部分から健康な毛包組織を採取し、それを粉砕して液状化したものを薄毛が進行している部位に注入します

注入液に含まれる細胞組織が脱毛箇所に作用し、衰えてしまった毛包組織の再生をサポートすることで発毛を促進します。

従来型の薄毛治療では、内服薬などにより薄毛の原因であるDHT (脱毛ホルモン) を抑える手法が一般的でした。

これに対してダブルマトリックスは自身の細胞が持つ自己再生力を活かして、DHTの悪影響に負けない健康な毛包組織を作り出すというアプローチの治療法です。

またダブルマトリックスでは自分の細胞組織をそのまま流用するため、アレルギーや副作用のリスクが極めて低いのも特徴です。

施術回数

施術回数は薄毛の進行具合によって変わってきます。

1回の施術でも効果を実感できるといわれていますが、薄毛の度合いによっては様子を見ながら数回の施術を受けることが望ましい場合もあります。

 

自分にあった最新の薄毛治療を選ぼう!

薄毛について男性に説明する医師

薄毛の進行度とどれくらいの改善を望むか

最新の薄毛治療を受ける場合、以下の2点を踏まえて治療法を選びましょう。

薄毛がどこまで進行しているか
どこまでの改善を望むか

薄毛の症状が初期段階でまだそれほど進行していないなら、投薬治療が適しています。内服薬や外用薬で抜け毛を予防し、発毛を促進するだけでも、現状維持や改善が望めます。

ただし積極的な発毛効果を期待するのであれば、投薬治療に加えて注入治療やLED照射治療を受けてみるのも一つの手です。2種類の治療法を併用することで、より高い発毛効果が得られます。

もしすでに完全に脱毛しており、産毛も生えていない場合は、自毛植毛などの他の方法がいいでしょう。

 

持病や体質

持病や体質の問題で最新の薄毛治療を受けられないケースも存在します。

心機能に腎臓に持病がある場合、投薬治療・LED照射治療・自毛植毛などは問題なく受けられますが、注入治療の中には受けられないタイプのものもあります。

糖尿病の方は、ヘアフィラーが受けられません。また頭皮に傷をつけることになるため、自毛植毛も避けるべきとされています。

妊娠中や授乳中の女性も受けられない治療法が多いです。メソセラピーやHARGなどの一般的な注入治療、LED照射治療、自毛植毛などは受けても問題ありません。

どの治療の場合も、受ける前に説明とカウンセリングを受けることになるので、持病や体質などの面で不安のある方は、事前に医師に相談するようにしてください。

 

最新の薄毛研究一覧!!

顕微鏡を覗く研究員

ミノキシジルと超音波が薄毛に効果抜群?!

(出典:(6)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)
最新の薄毛研究の一つに、ミノキシジルと非接触振動圧 (超音波) を組み合わせると発毛効果が増幅されるという報告があります

ミノキシジルは薄毛治療で広く使われている発毛剤です。ミノキシジル単独でも高い発毛効果がありますが、非接触振動圧と併用することで効果がさらに増幅されるのではないか、というのが今回の研究内容です。

実際にマウスを使った生体実験では、非接触振動圧によってマウスの発毛が促進されるとともに、発毛遺伝子の発現が増殖することも確認されました。

本研究は2019年度の世界毛髪研究会議において最高賞を受賞しました

現在は非接触超音波発生装置を用いて、治療現場で試験導入を行っているところという話です。

頭に塗るだけで薄毛が治せる?!

(出典:(7)毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA))
ヒト脂肪由来の幹細胞 (ADSC) の成分抽出物を頭皮に塗ったところ、薄毛の改善が見られたという研究も存在します。韓国の研究チームが2020年に発表した最新の研究報告です。

幹細胞とは自己複製能とさまざまな細胞に分化する能力を併せ持った細胞のことです。近年では再生医療に幅広く応用されています。

特にヒト脂肪由来の幹細胞は成長ホルモンを分泌して細胞の増殖を促す働きがあり、ホルモン中に含まれる肝細胞増殖因子・血管内皮細胞増殖因子・インスリン様成長因子が、毛包のサイズを大きくするという研究報告もあります。

今回の研究ではヒト脂肪由来の幹細胞から抽出したエキスを塗ったグループは有意に発毛を促進する効果が見られました。

再生医療が薄毛にも実用化?!

日本の理化学研究所でも幹細胞に注目した薄毛治療の研究を行っています。

同研究所は幹細胞を使った再生医療を研究しており、2009年にはマウスの歯の再生に成功しました。歯の次は毛髪の再生をテーマにしています。

毛包にはもともと2種類の幹細胞が存在します。毛包が何度も作り直されて新しい毛が生えてくるのも、この幹細胞の働きのおかげです。

今回の研究では毛包を再生する能力を持つ2種類の幹細胞を取り出し、体の外で増やして毛包のタネを作り、再び頭皮に移植します。そうして毛包を増やし、髪の毛を増やそうという狙いです。

実際にマウスで実験したところ、移植した部位から健康な毛が生えてくることが確認されました。

今後、幹細胞を応用した薄毛治療が実用化されるのも遠くはないかもしれません。

 

薄毛の最新治療まとめ

薄毛の最新治療の種類とその内容について紹介しました。

薄毛治療の世界は日進月歩であり、最新の研究、最新の治療法が次々に登場しています。

興味を持たれた方は最新治療を受けられるクリニックを探して、一度カウンセリングを受けに行ってみましょう。

 

監修者紹介
稲葉 岳也 医師
いなばクリニック
稲葉 岳也
■ プロフィール
東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士取得。東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。皮膚科・形成外科領域のレーザー治療、及びアレルギー疾患の総合的治療が専門です。皮膚科、美容皮膚科、形成外科、美容外科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、アレルギー科を主体として、幅広い視点で総合的な診療を行っております。レーザー機器を導入した医療を行っており、幅広い年齢層を対象としたホームドクターとして、地域密着の診療に尽力しております。
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