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更新日:2022.09.30

薄毛になりやすい部位とは?薄毛になる原因や薄毛の対策方法を紹介

監修者紹介
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤 明男 医師
佐藤明男
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。  
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男性の薄毛は、全体的に進行する女性の薄毛と違って、特定の部位から進行していくのが特徴です。薄毛にはさまざまな原因があり、それぞれ対策する方法が異なります。

薄毛になりやすい部位を知っておけば、薄毛の進行に早く気づけるでしょう。

この記事では、薄毛になりやすい部位や薄毛になる原因、薄毛の対策方法を紹介します。どの部位から薄毛が進行していくのかを知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

薄毛になりやすい部位

薄毛になりやすい部位を紹介します。薄毛になりやすい部位は、主に以下の4つです。

前頭部 (M型)
頭頂部 (O型)
前頭部と頭頂部 (U型)
前頭部・頭頂部以外の部位

前頭部 (M型)

(出典:(1)男性型脱毛–その特性と未来像 Androgenic alopecia–Its characteristics and perspectives) (出典:(2)男性型脱毛の発症メカニズムと治療戦略)

薄毛になりやすい部位のひとつ目は、前頭部つまり前髪の生え際部分です。

頭を正面から見ると、髪が生えている部分がアルファベットの「M」のようになっていることから、M型の薄毛といわれています

男性の薄毛によく見られるのが、前頭部・生え際の両サイドから進行していく薄毛です。

進行すると、前頭部から頭頂部にかけて薄くなっていき、最終的に後頭部と側頭部の髪が残ります。薄毛の原因に関係する男性ホルモン受容体が、前頭部では多く、後頭部では少ないからです。

生え際が後退しておでこの部分が広くなりはじめたら、薄毛が進行しているので、なんらかの対策をとりましょう。

頭頂部 (O型)

(出典:(3)男性型脱毛–その特性と未来像 Androgenic alopecia–Its characteristics and perspectives) (出典:(4)男性型脱毛の発症メカニズムと治療戦略)

薄毛になりやすい部位のふたつ目は、頭頂部つまりつむじ部分です。

頭を後ろから見ると、薄毛の部分がアルファベットの「O」のようになっていることから、O型の薄毛といわれています

M型の薄毛と同じくらい一般的なのが、頭頂部のつむじ部分から進行していく薄毛です。進行すると、頭頂部から前頭部にかけて薄くなっていき、M型と同様に最終的に後頭部と側頭部の髪が残ります。

以前と比べて頭頂部の地肌が見えるようになっていたり、頭頂部の毛流れが乱れていたりする場合は、O型の薄毛が進行している可能性があるでしょう。

前頭部と頭頂部 (U型)

(出典:(5)男性型脱毛–その特性と未来像 Androgenic alopecia–Its characteristics and perspectives)

M型とO型の薄毛がともに進行すると、U型の薄毛になる場合があります。頭を上から見ると、アルファベットの「U」のように髪が残っているからです

いきなりU型の薄毛になるわけではなく、薄毛の進行によってM型とO型の薄毛がつながることでU型に変化します。

M型とO型を通り越してU型の薄毛になっている場合、薄毛がかなり進行していると考えられるので早めの対策が必要です。

前頭部・頭頂部以外の部位

前頭部または頭頂部から進行する薄毛が多いですが、他の部位から薄毛になる場合もあります。

一般的に前頭部や頭頂部の薄毛はゆっくりと時間をかけて進行していきますが、その他の部位の薄毛は急に進行することがあります

頭皮でなんらかのトラブルが起こっている可能性があるので、注意しましょう。

薄毛になる原因

薄毛になる原因を紹介します。薄毛になる原因は、主に以下の5つです。

男性ホルモン
加齢
遺伝
生活習慣の乱れ
ストレス

男性ホルモン

(出典:(6)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版) (出典:(7)毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA))

男性で発症しやすい薄毛の多くは、男性ホルモンが関係しています。

酵素である「5αリダクターゼII型」の働きによって、男性ホルモンの「テストステロン」が「ジヒドロテストステロン (DHT) 」に変換されます。

そのDHTが、男性ホルモン受容体と結合することによって発生するのが「TGF-β」などの脱毛因子です。

脱毛因子の働きでヘアサイクルの成長期が短くなり、正常な状態よりも早い段階で髪が抜け落ちてしまいます。

ヘアサイクルの成長期が短くなると、毛根を包んでいる組織である毛包のサイズが小さくなるため、結果として薄毛につながります

加齢

(出典:(8)毛髪を美しく健康的にするヘアケア技術) (出典:(9)老化による力学特性変化を考慮した皮膚のしわ特性解析)

薄毛になる原因のひとつは、加齢です。加齢によって髪の1本1本が細く、やわらかくなっていきます

また年齢とともに皮膚が老化していくことで、皮膚の表面が硬くなります。

皮膚の硬化は血行不良をまねくので、日頃から意識的に頭皮の血行を促すようにしましょう。

遺伝

(出典:(10)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)

薄毛になる大きな原因には、遺伝が大きく関係しています。

薄毛の原因に関わる酵素の5αリダクターゼや男性ホルモン受容体が遺伝するからです

家系に薄毛の人が多い場合、薄毛になる可能性が高いといえるでしょう。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れが、薄毛の原因になることがあります。

薄毛の原因になりうる生活習慣の例は、食生活の乱れ・不規則な睡眠・運動不足・お酒の飲みすぎ・喫煙などです

これらの生活習慣は、髪への栄養が不足したり、頭皮の血行が悪くなったりすることにつながります。

ストレス

(出典:(11)疲労とストレス) (出典:(12)血管迷走神経反射におけるアドレナリンの脳血流に及ぼす影響) (出典:(13)画像解析によるマウスの体毛成長の評価)

薄毛になる原因のひとつは、ストレスです。

人間はストレスを感じると、自律神経が乱れてしまい、副交感神経よりも交感神経が優位になります。

優位になった交感神経により多くのアドレナリンが分泌され、血管が収縮します。その結果、血行が悪化し、頭皮に栄養が運ばれにくくなるのです

またストレスは体毛の成長を遅らせるので、髪があまり成長しないまま抜けてしまう可能性があります。

薄毛の対策方法

薄毛の対策方法を4つ紹介します。

生活習慣を改善する

(出典:(14)マウスのタンパク質栄養状態と体毛タンパク質合成の関係について) (出典:(15)e-ヘルスネット たんぱく質) (出典:(16)第3章 主な医薬品とその作用) (出典:(17)男子大学生における夜間睡眠の乱れと自律神経系活動の関係)

薄毛を対策するために、生活習慣を改善しましょう。生活習慣の中でも、とくに注意すべきなのは食事と睡眠です。

栄養のバランスが偏っている食事を続けると、栄養が不足し、髪が細く弱くなります。とくに髪を構成する成分であるタンパク質を意識して摂りましょう

また睡眠不足も、髪に悪影響を及ぼすひとつの原因です。睡眠時には、髪の成長にも関わる成長ホルモンが多く分泌されます。

成長ホルモンには、タンパク質の合成を促す作用もあるので、睡眠をしっかりとることはとても重要です

アルコールの摂取を控える

(出典:(18)飲酒に伴う栄養素摂取状況と食品群別摂取状況の変動ならびに循環器健診成績の関連について) (出典:(19)厚生労働省eJIM> 海外の情報 > 亜鉛)

薄毛を対策するために、アルコールの摂取を控えましょう。

アルコールを摂りすぎると、アルコールを摂っていない人と比較して亜鉛などの栄養素が体に吸収されにくくなります

髪に必要な栄養素が十分に頭皮に運ばれにくくなってしまうため、薄毛を引き起こしてしまう可能性があります。

亜鉛の不足は、脱毛の原因にもなるので注意が必要です。禁酒とまではいかなくても、少しずつ飲むお酒の量を減らしていくのがよいでしょう。

頭皮マッサージを行う

(出典:(20)地肌マッサージの頭皮への作用) (出典:(21)マイクロスコープを用いた皮膚画像からの血行計測)

薄毛を対策するために、頭皮マッサージを行いましょう。

マッサージによって頭皮に刺激を与えると、血行がよくなります。その結果、血液の運搬により髪に必要な栄養が頭皮に行き渡りやすくなります。

マッサージをするときは、爪などで頭皮を傷つけないように注意して、指の腹で頭皮全体をやさしく揉むようにしましょう

頭皮のマッサージは、入浴中にシャンプーと一緒に行ってみてください。入浴によって、さらに血行がよくなるからです。

髪型を変える

髪型を変えることも、薄毛の対策におすすめの方法です。髪型によっては、薄毛の部位を隠したり、目立ちにくくしたりできます

薄毛が進行しているのであれば、思い切って短髪にするのがおすすめです。髪を短くすることで、髪がしっかり生えている部位と薄毛が進行している部位との毛量の差を少なくできます。

ドライヤーを使って薄毛の部位をふんわりさせたり、ワックスなどのスタイリング剤を使ってボリュームを出したりするのもよいでしょう。

薄毛になる部位を知って適切に対策しよう

男性の薄毛は、前頭部や頭頂部を中心に進行していきます。

薄毛の進行具合を知りたいのであれば、生え際の位置やつむじ部分の髪のボリュームなどに注目しながら以前の写真と見比べてみましょう。

薄毛になりやすい部位をあらかじめ知っておくことは、薄毛の早期発見につながります。薄毛があまり進行していない状態なら、対策しやすいでしょう。

この記事で紹介した薄毛の対策方法を参考にして、薄毛と向き合ってみてください。

 

監修者紹介
佐藤 明男 医師
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤明男
■ プロフィール
1957年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。
1998年、厚生省(当時) 高度先進医療推進事業でオックスフォード大学医学部客員研究員として英国に国費留学し、帰国後、東京メモリアルクリニック・平山副院長を経て院長に就任。医療法人TMC理事長を兼任。これまで10,000人を超えるAGA(男性型脱毛症)患者を治療してきた実績を持つ、頭髪治療の第一人者。
■論文・出版情報
2007年 『医療的育毛革命』
2009年 『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』
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