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更新日:2023.02.28

自律神経の乱れが薄毛を引き起こします!自律神経を整えるためにすべき具体的な行動をご紹介!

監修者紹介
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤 明男 医師
佐藤明男
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。  
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「自律神経の乱れが薄毛の原因になる」というフレーズはよく耳にします。

しかし「自律神経の乱れ」とは何なのか、何が原因で起きるのか、いまいちイメージが湧かない人も少なくないでしょう。

本記事では自律神経の乱れの原因や薄毛との関係性、自律神経を整えるための方法についてわかりやすく解説します。

自律神経のバランスを整えることは、薄毛対策においても非常に効果的です

ぜひこの機会に自律神経を整える方法を知っておきましょう。

 

自律神経が乱れるとは

そもそも「自律神経が乱れる」とはどういった状態を指すのでしょうか?

自律神経とは私たちの身体機能を制御し、調整する役割を持っている神経です

自律神経は交感神経副交感神経という二つの系統からなっています。交感神経は昼間や人が活発に活動している時間によく働き、副交感神経は夜や人がリラックスしている時間によく働きます。

この二つの自律神経がバランスよく交互に働いている状態が本来あるべき姿です。

しかし交感神経ばかりが働くようになると、両者のバランスが崩れて、体のあちこちの機能に問題が生じます。そういった状態を「自律神経が乱れる」と表現するのです。

自律神経が乱れる原因

(出典:(1)疲労とストレス)
自律神経が乱れる最大の原因はストレスです。

ストレスは体をある種の緊張状態に置きます。そうして本来なら副交感神経が優位になるべき場面でも、ストレスのせいでリラックスできずに、交感神経ばかりが働くようになります。

ストレスを感じても、軽度であったりすぐに解消されるものであったりすれば、たいした問題にはなりません。

しかし常に強いストレスを覚えるような環境に身を置いていると、次第に自律神経のバランスを取ることが難しくなってきます

その結果、自律神経によってコントロールされている身体機能にも様々な形で悪影響が生じます。

自律神経の乱れが薄毛を起こす理由

(出典:(2)I. 皮膚血流調節の温熱生理学)

髪の毛が育つためには血液によって運ばれてくる栄養素が必要不可欠です。

しかし自律神経のバランスが崩れたことにより交感神経が優位になると、血管が収縮して全身の血流が悪くなります

血流が滞ると毛根まで十分な栄養素が届かなくなり、丈夫で健康な髪が育たなくなります。頭皮は体の末端にあるため、血行不良の影響を受けやすいのです。

マンガなどで「ストレスで髪が抜ける」という表現がよくされますが、実際にストレスによる自律神経の乱れは薄毛の大きな原因になり得ます。

自律神経の乱れによって起こる薄毛に関する様々な悪影響

不眠

(出典:(3)快眠のための睡眠判定と睡眠モニタシステム,(4)睡眠関連ホルモンの計測))
自律神経の乱れによって起こる不眠も、髪の毛にとってはマイナス要因です。

睡眠はもともと副交感神経との関わりが深いです。睡眠時には副交感神経が優位になることで心身ともにリラックスできて、深くて質の高い眠りを可能にします。

しかし自律神経が乱れて交感神経の方が強く働いていると、ゆっくり休むことが難しくなり、睡眠にも障害をきたします

睡眠中は成長ホルモンが盛んに分泌されるため、睡眠がうまく取れない状態だと成長ホルモンの分泌も滞り、髪の毛の成長を阻害してしまいます。

身体機能の低下

(出典:(5)Villareal MJR 「Protein-calorie malnutrition diagnosis by hair tissue: A
study in Filipino pre-school children.」,(6)様々な刺激や環境に対する自律神経活動の分析)

自律神経は全身の機能をコントロールしている極めて重要な器官です。それだけに自律神経のバランスが崩れると、様々な面で身体機能が低下しはじめます。

髪の毛の大部分はタンパク質でできており、健康な髪を育てるためには安定したタンパク質の供給が欠かせません。

しかし自律神経が乱れると内臓の機能も低下し、タンパク質の消化吸収の効率も落ちてしまいます

さらにタンパク質を利用可能な形に変えるための代謝活動や、栄養を毛根まで運ぶための血液循環も悪化するため、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。

髪はもともと生命維持にとって最重要なものではありません。そのため身体機能が低下したときに真っ先にしわ寄せがきてしまう部分と言えます。

自律神経の乱れを整える方法

起きてすぐ太陽の光を浴びる

(出典:(7)自律神経異常に起因する疾病とその対策)
朝目が覚めたら、まずはカーテンを開けて太陽の光を浴びるようにしましょう。

朝の光を浴びることでセロトニンと呼ばれる物質が体内で分泌されます。セロトニンには自律神経を整える効果があると言われています。

また太陽を浴びることは体内時計をリセットするのにも最適です。

「日中は活発に動き、夜に休息する」という体内リズムの調子を取り戻せば、自律神経のバランスも整いやすくなります

軽い運動をする

(出典:(8)自律神経異常に起因する疾病とその対策)
自律神経を整えるために軽い運動をするのもおすすめです

体を動かすと気分がスッキリして、ストレス解消に役立ちます。

適度な運動は身体機能を活性化する効果もあるため、自律神経の乱れによって弱っていた循環機能や内臓の機能を元気にすることにもつながります。

また運動をすると血行促進にもなり、睡眠の質の向上にも効果的です。

薄毛対策にいいことずくめなので、運動不足の人はまずはウォーキングやジョギングのような軽い運動から始めてみましょう。

お風呂に浸かる

(出典:(9)入浴法および入浴習慣が心身に及ぼす影響に関する研究)
忙しい人の中にはお風呂をシャワーで済ませてしまい、ゆっくり湯船に浸かる習慣のない人もいるかもしれません。

しかし自律神経のバランスが乱れているときは、お風呂に入ってリラックスしてみるのも効果的です。

お湯に浸かると全身が温まり、ストレスで緊張していた心身がやわらぎます。血流もよくなって、体の冷えやコリの解消にもつながります。

リラックスを目的とする場合は、少しぬるめの36~40度くらいの湯温に設定しましょう。熱すぎるお風呂はかえって逆効果になることもあります。

質のよい睡眠を取る

(出典:(10)快眠のための睡眠判定と睡眠モニタシステム,(11)社会的ジェットラグがもたらす健康リスク)
睡眠の質を高めることも自律神経を整えるために非常に重要です。

睡眠中は副交感神経が優位になります。毎日ぐっすり眠れていれば、心身が休息する時間が長くなり、自律神経のバランスも取りやすくなります。

以下の点に気をつけて、質のよい睡眠が取れるように工夫しましょう。

寝る前にスマホを見ない

寝る前に布団の中でスマホをいじってしまう人は少なくないでしょう。

しかし就寝前のスマホ操作は画面から発せられるブルーライトが刺激となり、眠ろうとしていた体内リズムを狂わせる要因になります

睡眠前に多すぎる情報に触れることは脳を無駄に活性化してしまうため、スムーズな眠りを妨げます。

寝る前の1時間程度はスマホなどの刺激の強いものは遠ざけ、リラックスして過ごすようにしてください。

短時間の昼寝をする

ごく短時間の昼寝をするのも、自律神経のバランスを調整するのに効果的と言われています。

すでに自律神経が乱れている人の場合、起きている間は交感神経が優位な状態がつづいており、なかなかリラックスができません。

そこで日中のうちに15~30分程度の短い昼寝をし、心身を休ませます。一時的に副交感神経が優位な時間を作ってあげることで、自律神経のバランスを保ちやすくなるのです。

ただし寝過ぎると夜に眠れなくなって逆効果になるおそれがあります。時間は長くても30分程度に設定しておきましょう。

食生活を改善する

(出典:(12)セロトニン欠乏脳-キレる脳・鬱の脳を鍛え直す,(13)食品成分と脳機能,(14)食物摂取の嗜好性と精神的健康の関連性についての探索的検討(2)-睡眠・運動・食生活の関係に着目して,(15)セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境))

バランスのよい食事

食事から摂る栄養素は私たちが意識していないところで心身の健康を支えています。

自律神経を整えるためにも栄養バランスのよい食生活は欠かせません

外食やインスタント食品ばかりで栄養が偏っている自覚のある方は、生鮮野菜やフルーツなども積極的に食べるようにしてください。

自律神経を整えるのに必要な栄養素を取る

自律神経を整えるのに役立つ脳内物質に「セロトニン」があります。

セロトニンにはストレスをやわらげる作用があり、心のバランスを保つのに役立つ物質です

セロトニンは体内で作り置きできないので、毎日の食事の中でセロトニンの材料となる栄養素を摂取する必要があります。

以下がセロトニンの生成に必要な栄養素です。

栄養素 多く含まれる食品
トリプトファン 乳製品、大豆製品
ビタミンB6 かつおなどの魚類、レバー、ヒレ肉やささみ
炭水化物 お米や小麦などの穀物類

バナナは以上の栄養素をすべて含んでいるため、意識的に食べるとよいでしょう。

腸内環境を整える

(出典:(16)乳酸菌の腸内投与による自律神経活動と生理機能の変化)
自律神経を整えるためには、腸内環境を改善することも大切です。

「ストレスでお腹を下す」「胃を痛める」ということがあるように、腸とストレスの間には密接な関係があります。

腸の調子が悪くて便秘や下痢などを起こしている状態だと、副交感神経がうまく働かなくなり、自律神経のバランスが乱れます

便秘や下痢を起こしがちな人は、寝起きに白湯を飲んだり、軽くストレッチをして腸を動かしたりして、腸内環境を整えられるように努力しましょう。

首回りを温める

副交感神経を働かせ、自律神経のバランスを整えるためには体を温めることも効果的です。

特に首回りには太い血管が通っているため、首回りを温めることで全身の血流を改善できます

血流がよくなれば冷えや肩こりなども軽減されます。温めることのリラクゼーション効果も相まって、心身ともにリラックスした状態を作りやすくなるでしょう。

疲労を感じたときに、ホットタオルなどで首回りを温めてみてください。就寝前に行えば睡眠の質を高めることにもつながって一石二鳥です。

薄毛と自律神経に関するまとめ

自律神経の乱れと薄毛との関係性や、自律神経のバランスを整えるための方法について解説しました。

現代人はストレスの多い社会で生きていると言われています。自律神経の乱れからくる心身の不調は決して珍しいものではありません。

自律神経の乱れは髪の毛にも悪影響を及ぼし、薄毛や抜け毛の原因にもなります

本記事を参考に生活習慣を見直し、自律神経のバランスを整えられるように工夫してみましょう。

 

監修者紹介
佐藤 明男 医師
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤明男
■ プロフィール
1957年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。
1998年、厚生省(当時) 高度先進医療推進事業でオックスフォード大学医学部客員研究員として英国に国費留学し、帰国後、東京メモリアルクリニック・平山副院長を経て院長に就任。医療法人TMC理事長を兼任。これまで10,000人を超えるAGA(男性型脱毛症)患者を治療してきた実績を持つ、頭髪治療の第一人者。
■論文・出版情報
2007年 『医療的育毛革命』
2009年 『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』
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