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薄毛対策をはじめるにあたり、「育毛」「発毛」「増毛」「植毛」のどれを選べばいいのでしょうか。似たような言葉ですが、それぞれに異なる意味があります。
いずれの方法も髪のボリュームをアップさせるのに効果的ですが、アプローチの仕方が異なります。薄毛対策を行うには自分の頭皮の状態に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
本記事では「育毛」「発毛」「増毛」「植毛」の意味と、それぞれのメリットデメリットについて解説します。
「育毛」「発毛」「増毛」「植毛」の違い
「育毛」「発毛」「増毛」「植毛」はいずれも薄毛対策に効果を発揮しますが、アプローチの仕方がそれぞれ異なります。違いを簡単に説明すると以下の通りです。
育毛の意味
(出典:(1)髪の健康を考える〜美しい髪で過ごすには〜)
育毛とは地毛に直接アプローチすることで、丈夫で抜けにくい髪の毛に育てることです。不健康な毛は細くて弱々しいですが、これらを育てて丈夫で太い毛にすると、全体のボリュームがアップします。
抜け毛や細毛の原因として、血行不良や頭皮の汚れが挙げられます。そこでシャンプーや育毛剤などを使って、頭皮にたまった汚れをしっかりと落とし血行を促進させるのです。
育毛剤の使用とあわせて生活習慣の見直しも大切です。きちんとした食事をすることで、髪の毛の生成に必要なタンパク質、ビタミンなどの栄養素が髪の毛にも行き届くようにします。またストレス発散することで血行不良を防止し、質の高い睡眠で成長ホルモンの分泌を促すのです。
育毛メリット
発毛の意味
(出典:(2)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版,(3)睡眠関連ホルモンの計測)
発毛とは髪の毛が抜け落ちてしまった個所から、もう一度生えてくるよう働きかけることです。地毛が再び生えてくることで薄毛を解決できます。
発毛効果があるとしてよく知られているのがミノキシジルです。ミノキシジルが配合されている発毛剤は厚生労働省の認可がおりた医薬品として販売されており、有効成分が血行促進や毛母細胞に働きかけて活性化させます。
ミノキシジルの内服液もありますが、市販されているものはなく、病院やクリニックで処方されるのが一般的です。
髪の毛が生えてこなくなる原因にはストレスや睡眠不足など生活の乱れも関係しています。育毛の場合と同じように、良質の睡眠をとるなど生活習慣を見直すことも大切です。
発毛メリット
育毛剤、発毛剤には副作用があることがある
育毛剤、発毛剤には、人によって頭皮や体のかゆみなどの肌トラブルだけでなく、発汗・動悸、吐き気・だるさ、性欲減退・性機能の低下、初期脱毛、多毛症などの副作用があることがあります。
育毛剤に比べて有効成分の効果がある発毛剤の使用時にこれらの副作用が現れます。
副作用の症状が現れたときのためにも、育毛剤・発毛剤のどういった成分によるものなのか、理解しておくことが大切です。
増毛の意味
増毛とは今ある髪の毛の根元に人工毛などを結びつけることによって髪をボリュームアップさせる方法です。これを「結毛式増毛法」と呼びますが、地毛1本につき人工毛2~6本を結びつけられます。
増毛は人毛に人工毛をしっかり結びつけるため、つけてしまった後はほとんど自毛と同じように扱うことが可能です。
増毛メリット
増毛とウィッグとの違い
ウィッグと違って着脱の必要もなく、シャンプーやドライヤーも普通に使えます。ブラッシングや髪のセットも自由です。髪に対して気を遣わずに、自毛と変わらない生活を送ることができます。
不意の衝撃で取れてしまう心配のあるウィッグよりも、安心して日常生活を過ごすことができるでしょう。
植毛の意味
(出典:(4)男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版))
植毛とは髪の毛の生えていない頭皮に地毛や人工毛を植え込むことです。育毛や増毛とは異なり医療行為となるため、医療機関で外科手術を受けることになります。植毛には「自毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類があります。
自毛植毛は後頭部や側頭部など健康な髪の毛を、細胞などの周辺部分も含めて移植することです。移植毛は生着率が高く、成長したら抜けまた生えてくる再生サイクルを繰り返すため、薄毛対策の根本的な解決策となり得ます。
人工毛植毛はポリエステルやナイロンなどで作った人工毛を頭皮に植え込みます。植毛する毛量に制限がないため自毛植毛に比べて即効性はありますが、炎症などの拒否反応が起こる場合があるので注意が必要です。
植毛メリット
自分の症状を考慮して育毛、増毛あるいはそれ以外の方法にするか選択しましょう
「育毛」「発毛」「増毛」「植毛」は似た言葉ではありますが、薄毛対策へのアプローチの仕方が異なることが分かりました。それぞれの意味が違いますから、薄毛の進行具合や頭皮の状態に合う最適な方法を選ぶことが大切です。
最初は育毛や発毛で頭皮の状態を整えて、様子を見てから増毛、植毛を考えることもできます。また即効性やより自然で長期的な効果など、自分が薄毛対策に求めるものは何か、メリットデメリットを比較しながら選ぶとよいでしょう。