監修者一覧
頭髪の生え際が後退し始めると、特に人の目に付きやすく、ストレスを感じることが多いと思います。このままどんどん薄くなるのではないかと気にされる方も多いのではないでしょうか。
本記事では生え際が後退した状態にあるM字ハゲとはどんな状態なのか、またその原因と対処方法についてご紹介します。
またご自身の生え際の後退具合が、どの程度なのかといった点もチェックできます。ご自身の現在の状態を知り、適切な薄毛対策をしていきましょう。
目次
生え際が後退した「M字ハゲ」ってどんな状態?
生え際が後退するパターンは大きく分けて2つあります。
1つ目のパターンは、生え際から頭頂部にかけて全てが薄くなっていくU字ハゲです。側頭部や後頭部には髪が残っているため、上部から見るとアルファベットのUの字形をしています。
本記事でご紹介するのは、M字ハゲタイプです。M字ハゲは一般的に正面からから見ると、アルファベットのMのように見える薄毛タイプのことを指します。おでこの両脇のみが後退していくためM字に見えるのです。
生え際が後退する原因
AGA (男性型脱毛症)
(出典:(1)毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA))
M字ハゲの要因の1つにAGAがあります。AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略で男性型脱毛症といわれます。
AGAは薄毛を誘発する男性ホルモンが通常よりも多く分泌されてしまい、抜け毛が増えるようになります。通常は成長期、退行期、休止期を繰り返すことで健康な髪を作り出します。しかしAGAの場合には髪を作り出すのに大切な成長期が短くなってしまうため、髪が増えていきません。
牽引性脱毛症
(出典:(2)結髪性脱毛症の発生機序に関する考察)
牽引性脱毛症とはホルモンや細菌などは関係なく、皮膚にダメージを受けることで髪が細くなり抜けてしまう症状のことです。
ポニーテールにより引っ張られていたり、ヘアアイロンなどを使ったりする女性に多くみられますが、男性でも強い力でクシなどを使用している場合には起こり得ます。
牽引性脱毛症の見分け方は、抜けた毛の根元に毛包と呼ばれる白いものが付いているかどうかにより分かります。毛包が一緒に抜けているのは、強い力で引っ張られた証拠です。
生え際の後退具合をチェックしよう
おでこの広さで確認する
ご自身がM字ハゲなのか見極めるセルフチェックの仕方は、まず小指から人差し指4本をそろえて横にします。小指が眉毛の上にくるように置き、人差し指が生え際にあるなら後退していません。人差し指生え際に届かない場合には、M字ハゲの兆候がみられます。
ただし指の太さやおでこの広さには個人差がありますので、参考程度に行ってみてください。
頭皮の状態で確認する
鏡でご自身の頭皮を確認してみましょう。青みがかった透明感のある色であれば健康な頭皮です。赤みがかっていたり、黒ずみがあったりするなら何らかの頭皮トラブルが起きている可能性があります。
また頭皮を触ってみて柔らかく、動くようであれば健康です。硬く感じるなら血行不良が起きているかもしれません。
頭皮トラブルが見つかった場合には、さらに生え際が後退することもありますので早めの対処が必要です。
毛根の状態で確認する
健康な髪の毛はハリやコシがあり、生き生きとしています。また根元に毛根があり、膨らんでいます。
反対に薄毛が進行している髪の毛は、弱々しく元気がありません。端から端まで膨らみがなく、細い状態です。
ご自身の抜けた髪を見て、どちらの髪か判断してください。細くて弱い髪であれば、生え際が後退してきている可能性があります。
生え際が後退したM字ハゲの対策方法
生活習慣を整える
(出典:(3)ヘアケアの科学)
不規則な生活習慣によりM字ハゲを悪化させてしまう場合があります。
毎日就寝時間が違っていたり、夜更かしをしたりなど不規則な生活を続けていると成長ホルモンが効果的に分泌しません。
脂っこい食事をしていると毛穴がつまる原因になります。ふさがれてしまった毛穴は雑菌が増え、抜け毛が増えやすくなります。野菜や果物など良質な食事を取り、髪に良質な栄養を届けるようにしましょう。
育毛剤を使用する
(出典:(4)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)
育毛剤を使用しながらM字ハゲに対処できます。育毛剤は頭皮環境を清潔に保たせ、ハリやコシのある髪を作り出せるように助けてくれます。毛穴の奥まで成分が浸透し、髪の成長を促すのです。
メーカーにより使い方は異なる場合がありますが、基本的には1日2回使用するならより効果が期待できるでしょう。ホルモンが活発な朝と、シャワーを浴びて清潔になった夜に使用する方が多いですが、ご自身の生活パターンに合わせて調整してください。
生え際の後退に関するまとめ
おでこの両端の生え際が後退していき、正面から見てMの文字に見えることからM字ハゲと呼ばれることが分かりました。
M字ハゲはAGAや牽引性脱毛症が主な原因になりますが、どちらの場合にも対処方法があります。生活習慣を整えたり、頭皮マッサージをしたり、育毛剤を使用したりすることで薄毛対策をしていきましょう。
生え際の後退具合のチェック方法を試して、ご自身の今の状態を知りつつ早めに処置をしてください。