# HAIR CARE
2021.12.23

テストステロンは薄毛の直接的な原因ではない!薄毛になるメカニズムと対策を解説

監修者紹介
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤 明男 医師
佐藤明男
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 横浜市立大学非常勤講師, 日本形成外科学会専攻医, 日本再生医療学会専門医・代議員, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。

「筋トレによって男性ホルモンのテストステロンが増えると薄毛になる」という噂を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

男性ホルモンと薄毛は関係性がありますが、薄毛により深く関与しているのはテストステロンではなく、ジヒドロテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの一種です。

本記事では、テストステロンとジヒドロテストステロンの関係や、ジヒドロテストステロンの生成を抑制するための対策方法を紹介します。

 

テストステロンは薄毛の直接的な原因ではない

手でバツをする男性医師
(出典:(1)男性型脱毛–その特性と未来像 Androgenic alopecia–Its characteristics and perspectives)
男性ホルモンのテストステロンは、薄毛の直接的な原因ではありません。脱毛の原因物質は、ジヒドロテストステロンです。

ただし薄毛の原因となるジヒドロテストステロンは、テストステロンから生成されるので、テスロステロンも薄毛には関係があります。

テストステロンは、以下の働きを持っています。

筋肉の量を増やす・強度を高めて筋肥大させる造血作用
男性としての機能の維持
集中力やリスクを取る判断をするなどの高次精神機能
内臓脂肪やメタボリック症候群、骨密度

男性の活力のもとになっているため、少なければ良いわけではありません。

 

ジヒドロテストステロン (DHT) とは

手を組んでいる男性医師
ジヒドロテストステロンとは、どのような男性ホルモンなのかを知っておきましょう。

 

男性ホルモンの一種

(出典:(2)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版,(3)男性における男性型脱毛症用薬 5α-還元酵素 II型阻害薬フィナステリド (プロペシア® 錠 0.2 mg・1 mg) の薬理学的特性と臨床効果)
ジヒドロテストステロンは、テストステロンと5αリダクターゼという還元酵素が結合されることによって生成される男性ホルモンの一種です

5αリダクターゼは、5αリダクターゼII型5αリダクターゼI型の2種類があり、5αリダクターゼII型は前頭部や頭頂部、5αリダクターゼI型は側頭部や後頭部に分布しています。

ジヒドロテストステロンに関係するのは5αリダクターゼII型のみとされてきましたが、最近では5αリダクターゼI型も関与していることがわかっています。

ジヒドロテストステロンは薄毛を引き起こす原因ではあるものの、男性外生殖器の形成に必要なホルモンなので、ジヒドロテストステロンの抑制を適切に対処することが大切です

 

ジヒドロテストステロンと薄毛の関係

(出典:(4)ミノキシジルの発毛作用について)
まず髪には成長期・退行期・休止期のヘアサイクルがあることを覚えておきましょう。このヘアサイクルを繰り返すことで、髪が成長する→自然に抜ける→再び新しい髪が生えるという仕組みになっています。

ジヒドロテストステロンは、髪を生み出す毛母細胞へと栄養を送る毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれ、毛母細胞の働きを低下させて髪の成長サイクルに悪影響をおよぼすシグナルを出します

その結果ヘアサイクルの成長期が短くなり、太くてハリのある健康な髪が生えにくくなるのです。

 

ジヒドロテストステロンの働きを抑える方法

指をさす佐藤医師
ジヒドロテストロンの働きを抑えることで、薄毛の予防・改善が期待できます。薄毛が気になる人は、以下のことを実践しましょう。

 

治療薬を処方してもらう

(出典:(5)プロペシア(新薬のプロフィル), (6)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)
大きな効果が期待できる対策方法は、治療薬を服用してジヒドロテストステロンを抑制することです。

治療薬として処方されるのは、5αリダクターゼII型を阻害するプロペシア、5αリダクターゼI型II型を阻害するザガーロなどです。

AGA (男性型脱毛症) クリニックや美容皮膚科・皮膚科などで治療を受けられます。

ただしどちらの治療薬にも副作用があるため、すべての人に使えるわけではありません。クリニックや病院に一度相談し、治療を受けるかを決めると良いでしょう。

 

良質な睡眠を十分に取る

(出典:(7)睡眠時間及び睡眠の質と精神的健康度との関連性)
良質かつ十分な睡眠は、ストレスを和らげてホルモンバランスを整える作用があります

必要な睡眠時間には個人差がありますが、最低でも6時間以上は睡眠時間を確保しましょう。

睡眠の質を高めるために、寝る前のスマホやPCの使用、カフェインの摂取は避けてください。

またぬるめのお風呂にゆっくりつかったり、寝る前に軽いストレッチをしたりすると血流が促され、睡眠の質の向上に繋がります。

 

飲酒を控える

(出典:(8)飲酒に伴う栄養素摂取状況と食品群別摂取状況の変動ならびに循環器健診成績の関連について)
アルコールを摂取すると、肝臓で代謝される際に亜鉛が多量に消費されます。亜鉛は髪に良い影響をもたらす重要な栄養素なので、飲酒はできるだけ控えることが大切です。

お酒を飲みすぎて生活が不規則になることはもちろん、お酒を飲んだ後、入浴せずに寝てしまい頭皮が不潔になることも、髪の成長に悪影響をおよぼします。

適量のアルコールの摂取は血流を促進しますが、一定の摂取量を超えると血液の循環が悪くなり薄毛を招きやすくなるので注意しましょう

 

喫煙を控える

(出典:(9)冠動脈疾患患者の交感神経活動におよぼす喫煙の影響)
喫煙は頭皮の毛細血管を収縮させるため、髪の成長に必要な栄養が頭皮に行き渡りにくくなります。頭皮環境が悪化すると抜け毛が増え、薄毛の進行を加速させる原因となるので、できるだけ控えるようにしましょう。

 

適度な運動を習慣的に行う

(出典:(10)顕微鏡血流観察による有酸素運動前後の毛細血管血流速度の定量)
適度な運動はストレスを和らげてホルモンバランスを整えるのに役立つので、意識して行いましょう

激しい運動はかえってストレスが溜まるため避けてください。薄毛対策で取り入れる運動は、ウォーキングやストレッチ、軽めのジョギングやサイクリングなどの有酸素運動が向いています。

継続して行うことが大切なので、続けやすい運動を選びましょう。

 

ジヒドロテストステロンを抑制して薄毛を改善・予防しよう

ジヒドロテストステロンは薄毛の原因となりますが、男性の体に必要な男性ホルモンでもあるので、適切に生成を抑える必要があります。

ジヒドロテストステロンの働きを抑えて薄毛の改善・予防をするには、まずバランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動などを心がけることが大切です。

生活習慣を改善しても薄毛が進行してしまう場合は、AGAクリニックや病院に一度相談してみることをおすすめします。

 

  • 1).特集 脱毛性疾患の病態と治療 / 順天堂医学37(4) 1992 年 37巻 4 号 p. 572-586
  • 2).6).日皮会誌:127(13),2763-2777,2017(平成 29) P.2763~2777,
  • 3).日本薬理学雑誌/127巻(2006) 6号/ p.495-502
  • 4).日本薬理学雑誌/119巻(2002) 3号
  • 5).ファルマシア/42 巻 (2006) 2 号/ P.164-165
  • 7).日本心理学会大会発表論文集/日本心理学会第76回大会
  • 8).第33巻 日循協誌 第3号
  • 9).金沢大学十全医学会雑誌 第110巻 3・4号合併号 P.263-272
  • 10).日温気物医誌第 78巻 4号 2015年 10月 353

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