# HAIR CARE
2022.02.21

頭皮のカビが引き起こす脂漏性皮膚炎とは?治療法や予防法も解説

監修者紹介
東京メモリアルクリニック理事長
佐藤 明男 医師
佐藤明男
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 横浜市立大学非常勤講師, 日本形成外科学会専攻医, 日本再生医療学会専門医・代議員, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。

頭皮のカビが原因で皮膚の病気が起こると聞いて、不安になっている人もいるのではないでしょうか。頭皮のカビは、脂漏性皮膚炎という病気を引き起こすことがあります。

この記事では、脂漏性皮膚炎とは何かや脂漏性皮膚炎の治療法、予防法などをまとめました。頭皮トラブルで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

頭皮のカビが引き起こす脂漏性皮膚炎とは?

脂漏性皮膚炎に悩む男性
(出典:(1) 洗浄料とその作用)
頭皮のカビが引き起こす脂漏性 (しろうせい) 皮膚炎とは、かゆみやフケ、乾燥、赤い炎症などを伴う皮膚疾患のことです。

脂漏性皮膚炎になると、皮膚が荒れて細かく剥がれ落ちてきたり、洗髪してもすぐにフケが出てきたりすることがあります

はじめのうちは、赤い炎症はなく脂っぽいフケが出るだけのケースもあります。出てくるフケの特徴は以下などです。

ベタベタしている
頭皮に張り付いている
かたまりになって落ちる

脂漏性皮膚炎は、高温多湿の梅雨から夏の時期にかけてできやすい傾向にあります。皮脂は皮膚や髪の毛を守る働きがありますが、分泌が増えるとかゆみや加齢臭などのトラブルの原因になってしまうことも少なくありません。

また脂漏性皮膚炎は、アレルギー性皮膚炎や刺激性皮膚炎などと症状が似ているので見極めるのは困難です。かゆみや炎症が長く続いている場合は、脂漏性皮膚炎を疑ってみてください。

 

脂漏性皮膚炎が起こる原因

男性の生え際のアップ
(出典:(2) 脂漏性皮膚炎,(3) マラセチア,(4) 2.皮膚マイクロバイオームとしてのマラセチア―脂漏性皮膚炎を例に―,(5) 病的皮膚への化粧指導)
カビが原因で脂漏性皮膚炎は起こると考えられています。

脂漏性皮膚炎の原因となるカビは、皮膚に存在する常在菌のひとつであるフケ原因菌 (マラセチア) です。普通に生活している限りは悪さをしませんが、皮脂の分泌が増えると増殖してしまいます。

増殖したフケ原因菌は、皮脂に含まれる成分であるトリグリセリドを遊離脂肪酸に分解。でき上がった遊離脂肪酸が皮膚へ刺激を起こすことが、脂漏性皮膚炎の原因のひとつとされています。

発症の引き金には、以下のことも関与していると考えられています。

遺伝
洗髪・洗顔不足による皮脂の蓄積
睡眠不足
脂っこいものばかり食べる、ビタミン不足などの食生活の偏り
精神的ストレスによるホルモンバランスの乱れ

脂漏性皮膚炎が他の皮膚炎と大きく異なる特徴は、カビを原因としていることです。きちんと治療しなければ、慢性化したり再発したりするので、病院での治療が必要になります。

 

脂漏性皮膚炎の治療方法

パソコンとスマホで脂漏性皮膚炎を調べている男性
(出典:(6) ケトコナゾールクリームの脂漏性皮膚炎に対する臨床的および真菌学的効果の検討
脂漏性皮膚炎の治療には、フケ原因菌 (マラセチア) を抑える効果がある抗真菌薬ステロイドを用いるのが一般的です。その後症状が良くなってきたら、ステロイドから抗真菌薬のみにシフトしていきます。

ただし実際は症状が完治せずに長期間続くことが多いので、ステロイドを完全休止するのは困難です。完全休止できない場合は、弱いステロイドと抗真菌薬を併用して治療を継続することになります

場合によっては、皮膚ケア向けの尿素入りローションやビタミン類、かゆみ止めなども併せて処方されることもあります。

頭部にはローションやスプレー、シャンプータイプの薬を使用することが多いです。炎症が起きている地肌に塗らないと意味がないので、髪の毛の根元にしっかりつけることを覚えておきましょう。

また、薬が自分に合っていない場合は、自己判断で中断せずに医師に早めに相談するようにしてください

 

脂漏性皮膚炎を予防する方法

さまざまな野菜

脂漏性皮膚炎を予防するためには、フケ原因菌 (マラセチア) のエサとなる皮脂を上手にコントロールする必要があります。そのために以下6つのことに取り組んでみてください。

脂っこいものを控える

まずは脂っこいものを摂取する機会を減らしましょう。脂っこい食べ物は、皮脂の分泌を加速させるからです。コーヒーやアルコール、香辛料なども皮膚に刺激をもたらすので、なるべく避けるようにしましょう。

ビタミンを多く摂る

(出典:(7) MSD マニュアル プロフェッショナル版 ビタミン,(8) ニュートリションケア ビタミンB2,(9) e-ヘルスネット ビタミン)
ビタミンB2やB6、Cなどを多く摂ることも心掛けてみてください。ビタミンB2やB6、Cはは皮膚の代謝に必要な酵素を補う働きがあるので、代謝を促進しニキビ改善につながるからです

ビタミンB2はアーモンドやレバー、干ししいたけ、ビタミンB6はマグロやカツオ、ニンニクに多く含まれています。その他にもビタミンB類を豊富に含む食品は、以下などです。

牛乳
しじみ
ほうれん草
トマト
キャベツ

またビタミンCを多く含む食材は、以下などが挙げられます。

レモン
イチゴ
ネーブル
ブロッコリー
菜の花

外食やインスタント食品を食べることが増えると、ビタミンは不足しがちになります。心当たりのある人は、積極的にビタミンを摂取するように心がけましょう。

髪の毛の洗い方に配慮する

(出典:(10) 洗浄料とその作用)
髪の毛は抗菌剤入り、または刺激が少ない自分に合ったシャンプーを使って、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう

いきなり熱いお湯を頭にかけたり、頭皮をこすったりしないように注意してください。またかさぶたがある場合は、無理に取ろうとしてはいけません。

加えてシャンプーを残したままにしないよう、よくすすぐことも大切です。洗髪後はドライヤーでしっかりと乾かしましょう。

紫外線を避ける

(出典:(11) 日焼け止めの科学)
脂漏性皮膚炎を予防するためには、紫外線もなるべく避ける必要があります。紫外線は頭皮にダメージを与える上に、過剰な皮脂を脂肪酸に分解して炎症を引き起こす場合があるからです

外に出るときは、日傘を使うようにしてみてください。帽子をかぶるのも悪くありませんが、通気性がよくて蒸れにくいものを選ぶようにしましょう。

頭皮を清潔に保つ

(出典:(12) ケトコナゾールクリームの脂漏性皮膚炎に対する臨床的および真菌学的効果の検討)
頭皮は皮脂が溜まりやすいので、清潔に保って皮脂汚れを溜めないようにも注意しましょう。

洗髪してもコンディションが優れない場合は、現在使っている洗髪剤を変えてみてください。油分が配合されているシャンプーやリンス、整髪料を使っているならば、抗真菌薬が配合されているものに変えてみるのがおすすめです。頭皮の環境改善につながることがあります。

抗真菌薬が配合されているシャンプーやリンスは、健康保険の対象ではないので値段は少し高いですが市販で購入できます。これまで抗真菌薬が配合されている商品を使用していなかった人は、ぜひこの機会に調べてみてください。

また脂漏性皮膚炎はかゆみを伴うことが多いです。手でひっかいて頭皮を痛めたり、汚れを付けたりしないようにも注意しましょう

生活習慣を整える

(出典:(13) 病的皮膚への化粧指導)
質の良い睡眠をとる、ストレスを溜めないなど、規則正しい生活も心掛けてみましょう。睡眠不足やストレスは、皮膚症状を悪化させる原因になるからです

肌や頭皮の調子が優れないときは、十分な睡眠時間を確保できているかなど確認する必要があります。またストレスが溜まりやすい生活を送っている場合は、気分転換する時間を積極的に増やしていきましょう。

また入浴時はシャワーだけで済まさずに、湯船にゆっくり浸かってリラックスするのがおすすめです。

暴飲暴食や偏食も皮膚症状を悪化させます。食べ過ぎに注意して、栄養バランスが整った食事をするようにしましょう。

 

頭皮のカビが原因の脂漏性皮膚炎は早めの対処を!

頭皮のカビは、かゆみや炎症などのトラブルを伴う脂漏性皮膚炎の原因になります。脂漏性皮膚炎は、放置すると慢性化したり再発したりする皮膚疾患です。頭皮トラブルが長引いている場合は、自己判断せず早めに病院を受診することをおすすめします。

また脂漏性皮膚炎は、皮脂コントロールを行うことである程度予防できます。脂っこいものを控える、ビタミンB2・B6・Cを積極的に摂取する、髪の毛の洗い方を見直すなど、日々の生活の意識も変えていきましょう。

 

  • 1).10). 日本香粧品学会誌 Vol. 42, No. 4, pp. 270–279 (2018)
  • 2). 日本医真菌学会雑誌 40巻 (1999) 2号
  • 3). アレルギー 2016 年 65 巻 10 号 p. 1282-1283
  • 4). 日本皮膚科学会雑誌 2021 年 131 巻 6 号 p. 1503-1509
  • 5). 13)日本香粧品学会誌/44 巻 (2020) 2 号/P. 129-134
  • 6).12)西日本皮膚科 1995 年 57 巻 2 号 p. 382-388
  • 7). MSD マニュアル プロフェッショナル版 / 09. 栄養障害 > ビタミン欠乏症,依存症,および中毒 > ビタミンの概要
  • 8). ニュートリションケア Volume 2, Issue 3, 330 – 333 (2009)
  • 9).e-ヘルスネット 厚生労働省
  • 11). 表面科学/15 巻 (1994) 7 号/p. 473-478

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